
Geminiはコーディングにどこまで使える? Antigravity 2.0を試した【2026年9月8日】
2026年9月8日現在のGeminiをコーディング用途で確認。Antigravity 2.0とagyを実プロジェクトで使い、料金・スキル・Codex/Claude Codeとの違いを確かめました。
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2026年9月8日現在のGeminiをコーディング用途で確認。Antigravity 2.0とagyを実プロジェクトで使い、料金・スキル・Codex/Claude Codeとの違いを確かめました。
Geminiは、AI開発競争で今は出遅れていると思っていました。Googleの資金、人材、計算資源を考えれば、長期戦で巻き返し、最後に勝つ可能性もあります。ただ、触り直す前は、同じ価格帯で選べる最高性能同士を比べても、GeminiはSonnet 5に体感で大きく劣ると思っていました。
ベンチマークは候補を知る入口にはなりますが、仕事を任せたときの判断、リポジトリ固有の文脈を読む力、手直しの回数までは教えてくれません。私は順位表を利用体験の代わりにはしません。そこで、壊れても戻せる個人プロジェクトを使い、現在のAntigravityを実際の開発で確かめることにしました。
Gemini 3から3.1の頃に旧Gemini CLIとAntigravity V1を少し使って以来、久しぶりに開くと、Antigravityは別物になっていました。VS Code風のエディタだと思っていた製品は独立アプリになり、CLIは消えるどころかagyへ統合され、Google AI Proの契約までつながっています。
個人ツールのリポジトリを渡し、「開発進めようか」とだけ入力しました。Antigravityは開いているPRと全体計画を読み、私が次にやるつもりだった仕事を選びました。ここで評価が変わりました。ただし、そのままCodexやClaude Codeの代わりになるかというと、そう単純でもありませんでした。
VS Codeみたいなエディタ、ではなくなっていた

GoogleはAntigravity 2.0を、IDEとは独立して動く「AIエージェントの司令塔」と説明しています。システムコマンド、ファイルの読み書き、Web検索、Chrome操作、スキル、MCP、サブエージェント、実装計画などを、会話を中心に束ねるアプリです。
旧Antigravity IDEも別製品として残っていますが、今回触った2.0はエディタそのものではありません。リポジトリを「Project」として登録し、会話と成果物を横に並べて仕事を進めます。見た目も使い方も、現在のCodexやClaudeのデスクトップアプリに近いです。
公式: Antigravity 2.0 Overview / Introducing Google Antigravity 2.0
Workspace向けAI Ultraは販売終了し、現在の入口が変わった

2026年9月、仕事用のGoogle Workspaceで「すべてのアップグレード オプション」を開くと、Business PlusやEnterprise Standardは出ますが、AI Ultraの追加契約は表示されません。

Googleは2025年6月26日、Google AI Ultra for BusinessをWorkspaceの追加契約として開始し、管理コンソールから直接購入できると案内していました。私自身も2025年11月21日に同じWorkspaceドメインで契約し、その日のうちに解約しています。契約メールの初回請求予定日は12月1日だったため、実際の引き落とし前でした。
その後、名称はAI Ultra Accessへ変わり、2026年5月5日に新規販売が終わりました。7月7日以降は既存契約もAI Expanded Accessへの移行または終了の対象になりました。現在、組織でAntigravityを使う入口としてGoogleが案内しているのはGemini Enterpriseです。
公式: Google AI Ultra for Businessの開始 / AI Ultra Accessの販売終了と移行 / Antigravity in Gemini Enterprise

今回のように個人でAntigravityの利用枠を増やす入口は、個人GoogleアカウントのGoogle Oneでした。選んだGoogle AI Pro 5TBは通常月額2,900円で、画面上では最初の3か月が月額290円になっていました。Google AI Ultraは20TBが月額14,500円、30TBが月額32,000円と表示されました。チーム利用はGemini Enterpriseという別系統で、Workspace Business Standardを上位版へ変える話とは一致しません。

契約後、Google Oneのホームに「Google AI Pro(5TB)」と表示されました。Antigravity側でもProとして認識されました。画面は英語のままですが、日本語の指示と応答は実機で動きました。ただしGoogleのヘルプ上は、Antigravityの指示文について英語のみを正式対応としています。日本語が動くことと、正式なサポート対象であることは分けて考える必要があります。
20ドル、100ドル、200ドル。でも回数は単純な20倍ではない

2026年5月の料金改定で、個人向けの中心は月20ドルのGoogle AI Pro、月100ドルと月200ドルのGoogle AI Ultraになりました。日本の表示も、おおむね2,900円、14,500円、32,000円で対応しています。上位UltraのAntigravity利用枠は、Pro比で5倍と20倍と案内されています。
ただし、ChatGPTやClaudeの「上位プランなら何倍」という感覚だけでは読みにくいです。Antigravityには時間で戻る基礎利用枠と週の上限があり、消費量はプロンプト数ではなく、エージェントが行った仕事量に応じて変わります。Googleは正確な回数を公開していません。基礎枠を使い切った後は、設定を許可していればAIクレジットを追加消費します。
Google AI Pro 10TBのような中間表示もありますが、ストレージ容量が増えたからAntigravityの枠も同じ比率で増えるとは書かれていません。コーディング目的なら、容量ではなくProかUltraか、Ultraなら5倍枠か20倍枠かを見る方が分かりやすいです。
公式: Antigravity Plans / Google AI Proの特典 / Google AI Ultraの特典
Gemini CLIは、Antigravity CLIのagyへ移った

個人向けの旧Gemini CLIは、2026年6月にGoogle AI Pro・Ultraと無料利用者への提供を終えました。後継はAntigravity CLIで、デスクトップ版と同じエージェント基盤を使います。macOSとLinuxでは、公式のインストーラーを実行すると~/.local/bin/agyへ入ります。
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
agyこの端末ではAntigravity CLI 1.1.27を導入し、Google AI ProとGemini 3.8 Flash(High)を認識するところまで確認しました。日本語で会話でき、--printによる1回実行、会話の継続、Projectの指定、JSON出力にも対応しています。
「Plugins」を軽い追加機能だと思ったら、スキルの詰め合わせだった

初回設定の「Build with Google」にはAndroid、Science、Firebase、Chrome DevTools、Dart and Flutterなどが並びます。単なる得意分野のチェックだと思ってScienceとFlutterも有効にしましたが、実体はスキル、MCP、ルール、フック、サブエージェントなどをまとめたプラグインでした。
実機のCLIで数えると、内蔵2個とGoogle製プラグイン由来66個、合計68個のスキルが認識されていました。Scienceだけでも、論文検索、遺伝子・タンパク質、薬、臨床試験、分子可視化など生命科学向けの大きな集合でした。FlutterとScienceを無効にすると、内蔵2個とChrome DevTools由来5個の合計7個まで減りました。
スキル本文が毎回すべて会話へ入るわけではありません。名前と説明から必要なものを選び、その時点で本文を読む仕組みはCodexやClaude Codeに近いです。それでも、使わない候補は選定時の情報量と誤発火の可能性を増やします。必要になってから足す方がよいでしょう。
公式: Plugins & Skills
「開発進めようか」だけで、次の仕事を選んだ

試したのは、開発途中の個人ツールyadoriです。リポジトリには開いているPRが1件あり、docs/配下に全体計画と次の増分があります。細かく誘導すると製品の力が見えないため、Projectへリポジトリを登録し、「開発進めようか」とだけ入力しました。
Antigravityは、直前の増分に対応するPR、残っているクローズ手順、次に控えるIssueと増分計画を見つけました。先にPRを閉じ、その後に次の実装計画へ進む選択肢を出しました。ここは私の意図どおりでした。
状況を読み、次の仕事を決める力は、普段使っているCodexやClaude Codeとほぼ同じ感覚でした。今回いちばん評価が変わった部分です。
その後の実装、テスト、PR作成まで進み、個人ツールとして問題ないと判断してマージしました。曖昧な指示から実際の成果物まで運べます。以前のGemini系に感じていた「答えるけれど仕事は任せにくい」という距離は、かなり縮まりました。
でも、PRは「AIが書いたな」と分かった

直前のClaude Code向け実装のPRは49行でした。利用者が何を実行し、何が起きるか、どこまで確認したかを中心に書いています。

Antigravityが最初に作ったPR本文は、リポジトリのPULL_REQUEST_TEMPLATEに従わず、近い過去PRの書き方も十分に拾っていませんでした。「過去のPRを見て」「実際に動作確認した?」「CLIで何を指示し、結果がどうだったかを書いて」と差し戻した後のPRは112行になりました。
正確さは増えましたが、フックの通信形式、一時設定ディレクトリ、コード上の型名など、読む人が変更を判断するには低すぎる層の説明まで膨らみました。追加指示後もテンプレートの見出しとは一致していません。
これはモデルの理解力だけが原因とはまだ言えません。yadoriにはClaude Code向けのCLAUDE.mdがある一方、Antigravity向けのルールは置いていませんでした。私自身もCodexとClaude Codeへの頼み方には慣れています。観測できたのは出力の差であり、モデル差と調整不足は分けて再検証する必要があります。
実物: yadori PR #69 / yadori PR #72
Antigravityを、今のプランのまま使ってみることにした
普段はChatGPTかClaudeのどちらかを契約し、その時々で切り替えて使っています。月200ドル級のプランを二つ同時に維持するのは、さすがに現実的ではありません。開発作業が多い週に週間上限が先に来ると、個人ツールの開発は今週は我慢するか、と止めることもありました。
今回のAntigravity 2.0は、少なくともリポジトリをカオスにするほど悪いものには見えませんでした。「開発進めようか」の一言から現在地を読み、次の仕事を選び、実装とテストまで進められました。PR本文には手直しが必要でしたが、任せたこと自体を後悔するような壊し方はしていません。
ChatGPTかClaudeの利用枠が厳しい週には、今契約しているGoogle AI ProのAntigravityを個人ツールの開発に使ってみます。PRを書く前にテンプレートと近い過去PRを読むこと、追記より置換・削除を優先すること、本文を判断材料だけに絞ることを明示し、チューニングしながらどこまで任せられるかを見ていくつもりです。
参照元
- ▸Anthropic — Claude Sonnet 5
- ▸Google Antigravity Docs — Antigravity 2.0 Overview
- ▸Google Antigravity Blog — Introducing Google Antigravity 2.0
- ▸Google Developers Blog — Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI
- ▸Google Antigravity Docs — Installation & Auth
- ▸Google Antigravity Docs — Plans
- ▸Google Antigravity Docs — Plugins & Skills
- ▸Google One Help — Google AI Proの特典
- ▸Google One Help — Google AI Ultraの特典
- ▸Google Workspace Updates — Google AI Ultra for Businessの開始
- ▸Google Workspace Help — AI Ultra Accessの販売終了と移行
- ▸Google Antigravity Docs — Antigravity in Gemini Enterprise
- ▸GH Media — AI Ultra Access終了の記事
- ▸yadori — PR #69
- ▸yadori — PR #72

Backend Engineer / AWS / Django / Go