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【完全ガイド】Googleコアアップデート対策。公式と噂を分けて解説

Googleコアアップデートの全履歴と対策を、公式情報・業界データ・噂の3つに分けて解説。Panda(2011年)から2026年3月版まで、何が変わったのかを時系列で整理。順位が落ちたときにやるべきことも。

まとめ2026年3月28日公開最終更新 2026年8月17日
目次
この記事のポイント

Googleコアアップデートの全履歴と対策を、公式情報・業界データ・噂の3つに分けて解説。Panda(2011年)から2026年3月版まで、何が変わったのかを時系列で整理。順位が落ちたときにやるべきことも。

今、何が起きているのか

最新のアップデート状況(2026年8月17日時点)

[公式] 展開中の公式ランキングアップデートはありません。Google Search Status Dashboardのランキング更新履歴で確認できる最後のアップデートは June 2026 spam update(2026年6月24日開始、6月26日完了、所要2日1時間)です。そこから今日まで約7週間半、Googleは新しいランキングアップデートを一件も告知していません。

[公式] May 2026 core update は2026年5月21日に開始し、6月2日に完了しました(11日21時間)。2026年のコアアップデートは3月版と5月版の2本だけで、5月版の完了以降、新しいコアアップデートは発表されていません。

[公式] 2026年に入ってから、helpful content 系・reviews 系の単独アップデートは一件も実施されていません。どちらも2022年以降コアアルゴリズムに統合済みで、独立したアップデート名としては出てこなくなっています。「2026年のヘルプフルコンテンツアップデート」を扱う記事を見かけたら、それは存在しないものです。

3月版の詳細は速報記事「Googleコアアップデート、2026年3月版が開始」も参照してください。

7〜8月の順位変動について(Googleは確認していません)

  • ―7月11〜12日、7月18〜19日、7月24日、8月1〜3日、8月5〜6日に、未確認の順位変動が観測されています。Search Engine Roundtableの集計では、AccuRanker、Algoroo、Mozcast、SEMrush、Sistrix など13〜14の独立したSERPトラッキングツール(検索結果の順位の揺れを毎日スコア化しているサービス)が同時に変動値の上昇を示しました。
  • ―これらはすべて第三者ツールの観測です。Googleはいずれについても確認しておらず、名前の付いたアップデートの告知も出していません。公式のランキング更新履歴は6月26日で止まったままです。
  • ―業界側でも、「単一の名前付きアップデート」では説明がつかないという見方が有力です。同じ時期にGA4のレポーティング不具合、Google Ad Managerの障害、7月中旬から始まっていたDiscover流入の減少という、別々の技術的事象が重なっていました。「7〜8月に数字が落ちた=コアアップデートのせい」と断定できる材料は、現時点でどこにもありません。
  • ―やることは平常時と同じです。Search Consoleでクリック数・表示回数を日別に見て、落ちているのが検索全体なのか、Discoverなのか、特定のクエリ群だけなのかを切り分けます。原因の名前を先に決めてから対策を打つと、たいてい外します。

アップデートがない代わりに増えた「公式ドキュメント」

2026年4月から6月にかけて、Googleはランキングアップデートよりもドキュメントとポリシーの整備に動いています。順位の話より、こちらのほうがサイト運営の判断に直結します。

この記事では、コアアップデートの仕組み・全履歴・対策を、情報の出どころを3つに分けて解説しています。

  • [公式]Googleが公式に言っていること ― 公式ドキュメント、Search Central、公式ブログからの引用
  • [データ]業界データ(非公式) ― Ahrefs、Semrush等のツール計測値、Search Engine Journal等の専門メディア分析
  • [噂]噂・都市伝説 ― 根拠不明の通説、因果関係が証明されていない主張

SEOの世界には公式情報と噂が混在しています。「Googleは○○を重視している」と断定する記事は多いですが、Googleが実際にそう言っているのか、業界が推測しているのか、誰かが言い始めただけなのかは、区別しないと対策の方向を間違えます。

ただし、「公式」だからといって全面的に信用できるわけではありません。2024年5月、Googleの内部APIドキュメント(14,014件のAPI属性を含む2,500ページ以上)がGitHubに流出しました。その内容は、Googleの広報担当者がこれまで公の場で否定してきたことと矛盾していました。たとえばGary Illyesは「クリックデータ(滞在時間、CTR等)はランキング要因ではない、作り話だ」と発言していましたが、流出したドキュメントにはクリックログに基づくリランキングシステム「NavBoost」の存在が記載されていました。

この記事で[公式]とラベルを付けている情報は「Googleが公の場で発表した内容」です。それが内部の実態と完全に一致している保証はありません。[公式]は「出発点」として読んでください。

コアアップデートとは何か

[公式] Googleが公式に言っていること:

"Several times a year, Google makes significant, broad changes to our search algorithms and systems."

― Google Search Central

年に数回、Googleは検索アルゴリズムに大規模で広範な変更を加えます。これが「コアアップデート」です。特定のサイトやページを狙い撃ちにしたものではなく、検索結果全体の品質を改善するためのものだとGoogleは説明しています。

[噂] よくある誤解:

「コアアップデートでペナルティを受けた」という表現を見かけますが、これは正確ではありません。ペナルティ(手動対策)はSearch Consoleに通知が届く別の仕組みです。コアアップデートで順位が下がるのは、「相対的に他のページの評価が上がった結果」であり、ペナルティとは異なります。

順位が落ちたときにやること

[公式] Googleが公式に言っていること:

"Avoid doing 'quick fix' changes."

"We recommend waiting at least a full week after a core update completes."

― Google Search Central

まず、慌てて記事を書き直さないでください。Googleの公式アドバイスは明確で、「ロールアウト完了後、少なくとも1週間待ってからパフォーマンスを分析すること」です。ロールアウト中の順位変動は最終結果ではありません。

やるべきことは1つだけです。Search Consoleで、アップデート開始日の前後のクリック数・表示回数・平均掲載順位を日別で記録しておくこと。ロールアウト完了後に「何が、どの方向に、どれくらい動いたか」を正確に把握するためのデータを今のうちに取っておきます。

小幅な順位変動(例えば2位から4位)の場合、Googleは「すでにうまくいっているコンテンツに変更を加えることは避けるべき」とも言っています。大幅な低下の場合は、サイト全体が「people first」なコンテンツを提供できているか自己診断します。

[噂] 噂: 「すぐにリライトすれば戻る」

根拠がありません。ロールアウト中にリライトしても、アップデートが完了するまで再評価は行われないことが多いです。むしろ、焦って内容を変えることでさらに順位が下がるリスクがあります。

過去の主要アップデートで何が変わったか

Googleのアルゴリズムは2011年から大きく変わり続けています。各アップデートには一貫した方向性があります。「ユーザーにとって価値のないものを排除する」です。何が潰され、何が上がったかを見ると、Googleが何を目指しているかがわかります。

Panda(2011年)― 薄いコンテンツの排除

Pandaが潰したのは「コンテンツファーム」です。大量の低品質記事を量産してAdSense収益を稼ぐサイトが、検索結果の上位を占めていた時代がありました。Pandaはサイト全体の品質を評価する仕組みを導入し、低品質ページが多いサイト全体の順位を下げました。英語の検索クエリの約12%に影響を与えたとGoogleは発表しています。

このアップデートで「量より質」が検索の基本ルールになりました。2016年にコアアルゴリズムに統合されています。

Penguin(2012年)― 不自然なリンクの排除

Pandaがコンテンツの質を見たのに対し、Penguinは被リンクの質を見ました。有料リンク、リンクファーム、相互リンクネットワークなど、人為的にリンクを増やす手法を使ったサイトの順位を大幅に下げました。「SEO業者にリンクを買う」というビジネスモデルはここで崩壊しました。

2016年にリアルタイムでコアアルゴリズムに統合され、現在は不自然なリンクを「ペナルティ」ではなく「無効化」する方向に変わっています。

Hummingbird(2013年)― 検索意図の理解

Hummingbirdはアルゴリズムの根本的な書き直しでした。それまでのGoogleは検索キーワードを個別の単語として処理していましたが、Hummingbirdからはフレーズ全体の意味を理解するようになりました。「東京で一番おいしいラーメン屋」と検索したとき、「東京」「おいしい」「ラーメン」をバラバラに処理するのではなく、ユーザーが「東京のラーメンランキングを知りたい」という意図を読み取るようになったということです。

Medic Update(2018年)― 健康・お金の情報に専門性を要求

2018年8月のコアアップデートは非公式に「Medic Update」と呼ばれ、YMYL(Your Money or Your Life:お金や健康に関するトピック)サイトに大きな影響を与えました。医療情報サイトでは、医師免許や専門資格を持たない執筆者による健康記事が軒並み順位を落としました。E-A-T(当時はまだ「Experience」のないE-A-T)の重要性が広く認知されるきっかけになったアップデートです。

日本ではこの頃、個人ブログの健康系記事が検索上位から大量に消えました。

BERT(2019年)― 自然言語処理の飛躍

BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleがトランスフォーマーモデルを検索に導入したアップデートです。文中の単語をその前後の文脈とセットで理解する技術で、「to」や「for」といった前置詞の意味を正しく解釈できるようになりました。

BERTの導入時、Googleは「検索クエリの10件に1件に影響する」と発表しました。現在のGoogleの言語理解能力の基盤となった技術です。

Helpful Content Update(2022〜2023年)― 「人のためか、検索のためか」

2022年8月に初めて導入され、2023年9月に大幅に強化されたのがHelpful Content Updateです。検索エンジン向けに最適化されたコンテンツと、人間のために書かれたコンテンツを区別し、前者の評価を下げる仕組みです。

2023年9月のアップデートでは、一部のサイトがトラフィックの40〜80%を失うという壊滅的な影響を受けました。回復には3〜12カ月かかるケースが多く、低品質コンテンツの大量削除と残ったコンテンツの品質改善が必要とされています。

このアップデートの最大の特徴はサイト全体を評価する「サイトワイドシグナル」です。1つの低品質ページではなく、サイト全体に低品質コンテンツが多いと判断されると、高品質なページの順位まで連動して下がります。Pandaの思想を現代版にしたものと言えます。

March 2024 Core Update ― 低品質コンテンツ40%削減宣言

2024年3月のコアアップデートは、Googleが「検索結果に表示される低品質・独自性のないコンテンツを40%削減する」と公式に目標数値を掲げた異例のアップデートでした。展開に45日間を要し、Google史上最も長いロールアウトの1つとなりました。

同時に3つの新しいスパムポリシーが導入されました:

  • ―Scaled Content Abuse: AIを使って大量のページを自動生成する手法(ただしAI使用自体はスパムではない。「大量生成の目的が検索操作なら」スパム)
  • ―Site Reputation Abuse: 権威あるドメインに低品質な第三者コンテンツを寄生させる手法(例: 大手メディアのサブドメインで無関係なアフィリエイト記事を掲載)
  • ―Expired Domain Abuse: 期限切れドメインを買い取り、旧サイトの権威を利用してスパムコンテンツを掲載する手法

May 2026 Core Update(2026年5月)― AI検索統合と同じ週に投入

2026年5月21日に開始し、6月2日に完了したのが2026年2回目のコアアップデートです(所要11日21時間)。3月版の完了から43日というのは、ここ最近のサイクルで最も短い間隔でした。Digital Applied社の集計によると、コアアップデートの平均間隔は2022年に117日、2023〜2024年で65〜70日。間隔の短縮は数年単位で進んでいた変化で、5月版はその傾向のなかでも特に短い投入でした。

ただし、この「間隔がどんどん短くなる」という読みは、その後の実績とは合いませんでした。2026年のコアアップデートは3月版と5月版の2本だけで、5月版の完了(6月2日)から今日まで、新しいコアアップデートは発表されていません。年5〜7回ペースという当時の業界予測は、少なくとも2026年に関しては外れています。ロールアウト直後に出る「これからのペース」の予測は、この程度には当たらないという例として覚えておくと役に立ちます。

2日前の5月19日に閉幕したGoogle I/O 2026では、検索ボックスの25年ぶりの全面刷新、AI ModeへのGemini 3.5 Flash既定化、トピックを24時間監視する「情報エージェント」、検索内のミニアプリ生成など、検索体験そのものを書き換える発表が立て続けに行われました。AI Modeは月間10億人、AI Overviewsは月間25億人に到達しています。

アップデート自体に対するGoogleの説明は「人々が求める情報をより的確に表面化させるための通常のアップデート」という定型文だけで、専用のブログ記事は公開されていません。これは公式の出し方として特段の意図表明はない、という意味であり、業界側の解釈に幅が生まれています。Search Engine Journalは、間隔が短いため3月版の影響からまだ回復できていないサイトに次のシグナルが重なる懸念を指摘しています。

ロールアウト初期の業界観測ツール(検索順位の揺れ具合を毎日スコア化しているSemrush Sensor/Algorooなど)では、Semrush Sensorが8/10以上、Algorooが0.67(閾値0.6超え)と、3月の高変動パターンに近い動きが観測されました。3月版の最終的なボラティリティ(順位の揺れの大きさ)はSemrush Sensorで9.5/10、上位3位の79.5%が動き、上位10位の24.1%が100位以下に転落したという数字が出ています。いずれも第三者ツールの計測値で、Googleは影響を受けたクエリの割合を公開していません。

ただし、今回特有の難しさは影響の分離が困難な点です。AI Mode/AI Overviewsの仕様変更が同時進行している以上、検索結果に出ているクリック数の変化が、コアアップデートによるランキング変動なのか、AI検索側の挙動変化なのかを区別しづらい。Google I/Oの発表とコアアップデートの投入が同じ週に起きたこと自体が、観測側から見れば異例の組み合わせです。

コアアップデート全履歴(2024〜2026年)

アップデート開始日完了日日数
June 2026 Spam2026-06-242026-06-262日1時間
May 2026 Core2026-05-212026-06-0211日21時間
March 2026 Core2026-03-272026-04-0812日4時間
March 2026 Spam2026-03-242026-03-2519時間30分
Feb 2026 Discover Core2026-02-052026-02-2721日17時間
Dec 2025 Core2025-12-112025-12-2918日
Aug 2025 Spam2025-08-262025-09-2126日
June 2025 Core2025-06-302025-07-1717日
March 2025 Core2025-03-132025-03-2714日
Dec 2024 Core2024-12-122024-12-186日
Nov 2024 Core2024-11-112024-12-0524日
Aug 2024 Core2024-08-152024-09-0319日
March 2024 Core2024-03-052024-04-1945日

2026年分の日付と所要時間は、Google Search Status Dashboard のランキング更新履歴に記載された値です。専門メディアの記事では「約12日」「およそ2週間」といった丸めた数字が使われることが多いので、ここでは一次情報の値に揃えています。

February 2026 Discover core update(2026年2月)

[公式] Googleが公式に言っていること:

2026年2月5日から2月27日にかけて展開されたこのアップデートは、GoogleがDiscover(Chromeアプリやスマートフォンのホーム画面に出る、検索しなくても記事が並ぶフィード)に対して「core update」という名前を明示的に付けた初めての事例です。それまでDiscoverの挙動変更に公式な名前が付くことはほとんどありませんでした。

Google Search Central Blog の告知で示された狙いは3点です。

  • ―ユーザーが実際にいる国のサイト由来の、ローカルに関連するコンテンツを増やす
  • ―センセーショナルな内容とクリックベイト(中身より煽り文句で釣る見出し)を減らす
  • ―その分野の専門性を持つサイトによる、深掘り・オリジナル・タイムリーなコンテンツを増やす

検索とDiscoverでは流入の質がまったく違うため、Discoverからの流入が大きいサイトは、検索順位とは別の軸としてこのアップデートを見ておく必要があります。なお、2026年7月中旬から複数のサイト運営者がDiscover流入の減少を報告していますが、これに対応する公式アップデートの告知はありません。第三者の観測です。

March 2026 / June 2026 spam update(2026年3月・6月)

[公式] Googleが公式に言っていること:

2026年のスパムアップデートは3月(3月24〜25日、19時間30分)と6月(6月24〜26日、2日1時間)の2本です。どちらもGoogleの説明は「通常のスパムアップデート」で、新しいスパムカテゴリの追加はありません。既存のスパムポリシーに書かれている違反、つまりscaled content abuse(検索操作を目的とした大量生成)、クローキング、こっそりリダイレクト、スクレイピング、隠しテキストなどの検出精度を上げるためのアップデートだとされています。

6月版についてSearch Engine Landが確認した内容として、link spam と site reputation abuse は今回の対象外だとGoogleが明言しています。影響を受けたクエリの割合は公開されていません。「6月のスパムアップデートで被リンクが無効化された」という説明を見かけたら、それは公式情報ではありません。

2026年に追加された公式ポリシーとドキュメント

2026年の後半、Googleが出したのはランキングアップデートではなく、ポリシーとドキュメントでした。順位の上下より、こちらのほうがサイトの作り方に直接効いてきます。

[公式] back button hijacking(2026年4月13日追加、6月15日施行)

ユーザーがブラウザの戻る操作をしても直前のページに戻れないよう妨害し、自分のサイトに留まらせる行為が、新しいスパムポリシーとして追加されました。履歴に空のエントリを積む、戻る操作を検知して別ページへ飛ばす、といった実装が該当します。Googleはこれをクローキングや欺瞞的リダイレクトと同じカテゴリに位置づけており、手動対策(Search Consoleに通知が届く人的な措置)または自動的な降格の対象になります。追加の告知は4月13日、実際の施行開始は2026年6月15日です。広告収益目的でこの種の実装を入れているサイトは、意図的でなくても対象になりえます。

[公式] 生成AI検索向けの公式ガイド(2026年5月15日公開)

Googleは公式ブログでの告知とともに、Optimizing your website for generative AI features on Google Searchというドキュメントを公開しました。AI OverviewsやAI Modeに向けて何をすればいいのか、という問いに対するGoogleの公式回答です。内容は「新しくやることはない」に集約されます。

  • ―生成AI検索向けの特別なファイルやマークアップは不要。
  • ―llms.txt(LLM向けにサイトの要約を置くとされる提案仕様のファイル)は、Googlebotが発見することはあっても単なるテキストファイルとして扱われ、特別扱いも優先的なインデックス経路もありません。
  • ―コンテンツを細かくチャンク分割する必要はありません。Googleのシステムは複数のトピックを含むページを理解し、事前の分割なしに関連するパッセージ(該当箇所)を抜き出せます。
  • ―ドキュメントには誤解を否定するセクションが設けられ、「AEO」「GEO」という呼称にまつわる一般的な思い込みが名指しで否定されています。生成AI検索への最適化は検索体験への最適化であり、依然としてSEOそのものだ、というのがGoogleの立場です。

[公式] Search Console の生成AIパフォーマンスレポート(2026年6月3日)

Search Generative AI performance reportsがSearch Consoleに導入されました。Search版とDiscover版の2種類があります。提供される指標はインプレッション(表示回数)、ページ(URL)、国、デバイス(Search版のみ)、日付です。

提供されない指標のほうが重要です。クリック数、CTR、ユーザーが実際に入力したプロンプト、掲載順位は含まれません。「AI検索から何クリック来たか」はこのレポートではわかりません。またGoogleは、AI機能のインプレッションは以前から全体のパフォーマンス合計に含まれていたため、合計値そのものは変わらないと明言しています。レポート追加によって数字が増えたように見えることはない、という意味です。展開は英国の一部サイト運営者から始まっており、グローバル展開が予定されています。

同時に、AI機能への表示をブロックするトグルもテストされています。Search Engine Landの報道によると、Googleは「オプトアウトしたサイトは当社の生成AI機能からトラフィックもインプレッションも受け取らない」と説明しています。通常の検索順位には悪影響を与えないとされていますが、AI経由の露出をまるごと捨てる選択になります。

[公式] 変わっていないこと

回復についてのGoogleの基本姿勢に、2026年の新しい表明も方針変更もありません。「次のコアアップデートを待つ必要があるかもしれない」「オーディエンスにとって正しいことをし続ける」「被リンクを増やしてもコアアップデートによる下落は戻らない」「AIが書いたか人間が書いたかをシステムは問わない」。公式ドキュメントの記述は2024年から実質的に据え置きです。新しい情報がないことも情報なので、ここに書いておきます。

E-E-A-Tとは何か。Googleは何を見ているのか

[公式] Googleが公式に言っていること:

E-E-A-Tは Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の略です。Google公式ドキュメントによると、このうち「信頼性(Trustworthiness)が最も重要」であり、他の3要素はそれに貢献する位置づけです。

重要なのは、Googleは「E-E-A-Tは直接的なランキング要因ではない」と明言していることです。E-E-A-Tは品質評価ガイドラインで使われる概念であり、アルゴリズムに「E-E-A-Tスコア」のような数値が組み込まれているわけではありません。E-E-A-Tを示す要因を組み合わせることで、結果的にE-E-A-Tが高いと評価されるページが上位に来る、という仕組みです。

[公式] AI生成コンテンツについての公式見解:

AI使用自体はスパムではありません。ただし、「検索ランキングを操作する主目的でAI生成を使用する場合はスパム方針違反」とGoogleは述べています。AIで書いた記事を公開すること自体に問題はありませんが、大量生成して検索結果を埋めようとすれば、それはScaled Content Abuseとして扱われます。

AI Overviewsで流入はどれだけ減ったのか

コアアップデートの話をしていると、必ず「そもそもAI Overviewsでクリックが減っているのでは」という論点が出てきます。ここは数字の扱いに一番注意が必要な領域なので、公式と第三者を分けて整理しておきます。

[公式] Googleが公式に言っていること:

Googleは、AI Overviews / AI Mode がオーガニック流入に与える影響について、定量的な公式データを一切公開していません。これは2026年8月時点でも変わりません。唯一の公式なポジションは、Google の VP である Liz Reid が2025年8月に示した「オーガニックのクリック総量は前年比で比較的安定している」「クリックの質は向上している」という説明です。ただしこの主張を裏付けるデータは公開されていません。検証できない以上、これも「Googleがそう言っている」以上のものではありません。

2026年6月に導入されたSearch Console の生成AIパフォーマンスレポートでも、提供されるのはインプレッションまでで、クリック数とCTRは含まれません。サイト運営者が自分のデータで「AI検索から何クリック来たか」を検証する手段は、公式には用意されていないということです。

[データ] 第三者調査(数値は4倍以上ばらついています):

公式データがないぶん、第三者の調査が引用されます。ところが、これらの数字は互いに大きく食い違っています。単一の数字を「AI Overviewsでクリックが○%減った」と断定的に引用するのは避けてください。

調査主体観測された数値何を測ったか
Pew Researchクリック率 8%
(AI要約なしは15%)
実ユーザーの閲覧履歴ベース。
従来型リンクへのクリック
AhrefsCTR 平均 −34.5%30万キーワード。
デスクトップの上位ページのみ
Seer Interactive1.76% → 0.61%
(−61%)
AIO表示クエリのCTR。
別データでは回復の観測もあり
SparkToroノークリック 68.01%
(2024年は60.45%)
2026年初頭の米国Google検索。
クリックの有無のみ
出版社の流入集計世界 約−33%
米国 −38%
2025年11月までの1年間。
ニュース出版社の検索流入

下落幅は34.5%から61%まで開いていますし、Pewの8%とSparkToroの68.01%は、そもそも測っているものが違います。前者は「AI要約が出た検索で従来型リンクが踏まれた割合」、後者は「検索全体のうちクリックが1回も起きなかった割合」です。この2つを並べて「AI検索でクリックが激減」とまとめるのは、数字の使い方として乱暴です。

ばらつきの原因は測定手法の違いです。どのクエリセットを対象にしたか(商用寄りか情報収集寄りか)、デスクトップかモバイルか、いつからいつまでの期間か。この3つが揃っていない調査同士は、そのまま比較できません。Ahrefsの−34.5%はデスクトップの上位ページに限定した数字ですし、Seer Interactive については、同じ会社の別データで2025年12月の約1.3%から2026年2月に2.4%へ回復という、逆方向の観測も出ています。時期を変えれば符号が変わる程度には、この領域の数字は安定していません。

下落だけを見るのも一面的です。AI Overviews に引用されたブランドは、同じクエリで引用されないブランドと比べ、インプレッションあたり約120%多いオーガニッククリックを獲得しているという第三者の観測もあります。AI Overviewsが表示されること自体がマイナスなのではなく、そこに引用される側にいるかどうかで結果が逆になる、という読み方ができます。これも第三者データであり、Googleが確認したものではありません。

実務上の結論は身も蓋もありません。他人の調査の平均値を自分のサイトに当てはめても意味がないということです。自分のサイトのどのクエリでAI Overviewsが出ているのか、そのクエリのクリック数が実際にどう動いたのかを、Search Consoleのクエリ単位のデータで見るしかありません。業界平均の数字は、経営層への説明資料には使えても、施策の判断材料にはなりません。

よく言われるSEOの「常識」は本当か

SEO業界には「こうすれば順位が上がる」というテクニックが無数に出回っています。そのほとんどは根拠が曖昧か、一時的にしか効かないものです。Pandaからの15年間を振り返ればわかりますが、Googleは小手先のテクニックを毎回潰してきました。

一方で、Google公式の発言を鵜呑みにしない人も少なくありません。前述のAPI流出事件で「公式発言と内部の実態が食い違っていた」ことが明らかになったからです。「Googleの中の人が言ったこと」と「Googleが実際にやっていること」は、必ずしも同じではない。これは事実として認めるしかありません。

それでも、Pandaから2024年のHCUまでのアルゴリズムの変遷を追えば、方向性は一貫しています。ユーザーにとって本当に価値のあるページを上位に出す。発言の真偽はさておき、Googleがやってきたことを見れば、この方向に賭けるのが最も合理的です。

以下は、マーケターやSEOコンサルタントがよく言うことと、確認できている事実の対比です。「正解」ではなく「現時点でわかっていること」として読んでください。

「著者プロフィールや構造化データを入れればE-E-A-T対策になる」

[公式で否定]

GoogleのDanny Sullivanは「Schema.orgの構造化データはランキングとは無関係」と明言しています。John Muellerも「構造化データの使用による汎用的なランキングブーストはない」と述べています。

肩書きについて補足しておきます。Danny Sullivan はこの発言をした当時 Google Search Liaison(検索チームと外部をつなぐ公式の窓口役)でしたが、2025年8月1日にこの職を退任し、現在は Google Search 内の Director です。後任の Search Liaison は置かれていません。旧 @searchliaison アカウントは非アクティブ化され、公式発信は Search Central アカウントと Search Central Blog に一本化されました。2026年以降の記事で「Google Search Liaison の Danny Sullivan が語った」という形の引用を見かけたら、それは肩書きが古いか、発言時期が2025年7月以前のものです。

ただし、この発言を曲解して「構造化データ自体が不要」という都市伝説も生まれています。「構造化データがあるだけで5位が3位になる」という話ではない、というのが正確な意味です。構造化データによってリッチリザルト(検索結果での星評価やFAQ展開など)が表示されれば、ユーザーはページを開く前に自分の求める情報とのマッチ度を判断でき、本当に必要としている人がクリックする確率が上がります。その結果としてランキングに良い影響が出る可能性はあります。「直接のランキング要因ではない」と「意味がない」はまったく違う話です。

「更新頻度が高いほうが有利」

[公式の直接的な言及なし]

「更新頻度がランキング要因である」というGoogleの公式発表は確認できていません。Googleはコンテンツの「鮮度(freshness)」を評価していますが、これは更新頻度ではなく、「そのトピックに新しい情報が必要かどうか」を判断する仕組みです。日付だけ変えて中身を変えない「偽の鮮度」はむしろペナルティの対象になりえます。更新頻度が高いサイトが上位にいるように見えるのは、質の高いコンテンツを継続的に出しているからであって、頻度そのものが原因とは言い切れません。

「文字数が多いほうが上位に来る」

[データ上の相関あり、公式は否定]

Backlinkoの調査(約1200万件の検索結果を分析)では、上位表示されているページの平均文字数が多い傾向が確認されています。ただしGoogleのJohn Muellerは「文字数はランキング要因ではない」と繰り返し述べています。相関が見られるのは、「トピックを十分にカバーするには自然と文字数が増える」からであり、文字数を増やすこと自体が順位を上げるわけではありません。

「被リンクは死んだ」

[公式とデータで状況が割れている]

GoogleのGary Illyesは2023年のPubconで「リンクはトップ3のランキング要因ではなくなった」と発言し、2024年4月には「ページをランク付けするのにリンクはほとんど必要ない」とも述べています。一方、Backlinkoの調査では1位のページは2〜10位のページに比べて3.8倍の被リンクを持っているというデータもあります。「死んだ」は誇張ですが、「以前ほど重要ではなくなった」はGoogle自身が認めていることです。正確なところは誰にもわかりません。

「Core Web Vitalsを完璧にすれば順位が上がる」

[公式/データ] ランキング要因だが、コンテンツの質ほど重要ではない。

Googleは公式にCore Web Vitals(LCP、INP、CLS)をランキングシグナルに使用していると認めています。しかし、「ページエクスペリエンスが優れていても、コンテンツの関連性が低ければ上位表示はされない」とも述べています。表示速度の改善は確実にユーザー体験を良くしますが、順位を上げるための「テクニック」としてやるなら、コンテンツの改善に時間を使ったほうが効果的です。

「ページ数が多いほうが有利」

[公式の直接的な言及なし]

「ページ数が多いサイトのほうが上位に来る」という主張と、逆に「低品質ページを削除してページ数を減らしたら順位が回復した」という報告の両方が出回っています。Googleはページ数自体をランキング要因にしているとは言っていません。Helpful Content Updateで導入された「サイトワイドシグナル」は、サイト全体に低品質コンテンツが多い場合に高品質ページの順位まで引き下げる仕組みです。つまり「ページ数」ではなく「品質の比率」が問題です。低品質なページを量産すればサイト全体の評価が下がり、逆にそれらを削除すれば比率が改善して回復する、という構造です。

「セマンティックHTMLはSEOに意味がない」

[公式の直接的な否定あり]

GoogleのJohn Muellerは「セマンティックHTMLはGoogleがページの構造を理解するのに役立つ」と述べています。`<article>`、`<nav>`、`<main>`、`<aside>`などのHTML5セマンティック要素や、正しい見出し階層(h1→h2→h3)は、Googleがコンテンツの構造を正しく理解するためのシグナルです。「直接のランキングブーストにはならない」としても、Googleがページの主要コンテンツと補助的な要素を区別できるようになるため、正しいコンテンツが正しいクエリに表示される精度が上がります。

「llms.txt を置けばAI検索に有利になる」

[公式で否定]

llms.txt は、サイトの構造や要約をLLM向けにまとめて置く、という趣旨で提案されたテキストファイルです。2025年頃から「置いておくとAI検索に拾われやすい」という話が広まりました。Googleは2026年5月15日公開の公式ガイドで、これを明確に否定しています。llms.txt はGooglebotが発見することはあっても、単なるテキストファイルとして扱われるだけで、特別扱いも優先的なインデックス経路もありません。

同じガイドで、Googleは生成AI検索向けの特別なファイルもマークアップも不要だと述べています。置くこと自体に害はありませんが、置いたから何かが起きるという公式の裏付けは存在しません。「AI時代の新しい必須対応」として工数を割く根拠にはならない、というのが現時点でわかっていることです。

「AI検索向けにコンテンツをチャンク分割すべき」

[公式で否定]

チャンク分割とは、長い文章をAIが扱いやすい小さな塊に切り分けることです。RAG(検索した文書をLLMに読ませる仕組み)を自分で作るときには必要な作業なので、「Googleに読ませるページも同じように切っておくべきだ」という話が出回りました。Googleの公式ガイドはこれも否定していて、Googleのシステムは複数のトピックを含むページを理解し、事前の分割なしに関連するパッセージを抜き出せると明記しています。

ガイドには「AEO」「GEO」といった新しい呼称にまつわる思い込みを否定するセクションも設けられました。Googleの立場は生成AI検索への最適化は検索体験への最適化であり、依然としてSEOそのものだというものです。新しい分野が生まれたわけではありません。

2026年1月の Search Off the Record(Google検索チームの公式ポッドキャスト)で、Danny Sullivan(現 Google Search Director。2025年8月に Search Liaison 職を退任)は「検索のためだけに何かを作り込むことは望んでいない」と述べています。AI検索向けのチャンク分割もその文脈で言及されました。読者にとって不自然な構造をクローラーのために作る、という発想そのものが、Googleが15年間潰し続けてきたパターンです。

過去に流行って潰されたSEO手法

Googleのアルゴリズムの歴史は「流行った手法が潰される」の繰り返しです。以下は実際に大規模な影響があった手法と、それぞれがどう対処されたかの記録です。

キーワードスタッフィング(詰め込み) ▼

流行った時期: 2000年代〜2011年

手法: ページ内にターゲットキーワードを不自然なほど大量に繰り返す。白文字で背景に隠す、alt属性に詰め込む、フッターにキーワードを羅列する等。

潰された経緯: Panda(2011年)で低品質コンテンツとして評価対象に。現在はGoogleの自然言語処理が文脈を理解するため、キーワードの出現回数はランキングにほぼ影響しないとされています。

現在: Googleのスパムポリシーで明確に禁止。手動対策の対象。

有料リンク・リンクファーム ▼

流行った時期: 2000年代〜2012年

手法: SEO業者からリンクを購入する、相互リンクネットワークに参加する、リンクファーム(リンクを売るためだけに存在するサイト群)を利用する。当時は「被リンクの数が多い=権威がある」とアルゴリズムが判断していたため、リンク売買が一大ビジネスに。

潰された経緯: Penguin(2012年)が不自然なリンクプロファイルを持つサイトの順位を大幅に下げた。2016年にリアルタイム化され、不自然なリンクは「ペナルティ」ではなく「無効化」(なかったことにする)方向に変化。

現在: 有料リンクはスパムポリシー違反。ただし検出を逃れる手法も進化しており、完全には根絶されていません。

クローキング(検索エンジンとユーザーに別の内容を見せる) ▼

流行った時期: 2000年代

手法: Googlebotには最適化されたテキストを、ユーザーには別のページを表示する。ドアウェイページ(特定キーワードで上位表示させ、別ページにリダイレクトするページ)も同類。

有名な事例: 2006年、BMW Germanyの公式サイトがドアウェイページの使用でGoogleからインデックス削除された。BMW側が公式に謝罪して復帰。

現在: スパムポリシーで明確に禁止。検出技術も進化しており、発覚すればインデックスから完全に除外されます。

PBN(プライベートブログネットワーク) ▼

流行った時期: 2010年代前半〜中頃

手法: 期限切れドメインを大量に取得し、それぞれにサイトを立ち上げ、メインサイトへのリンクを設置する。ドメインの過去の権威を利用してリンクの価値をかさ上げする手法。

潰された経緯: 2014年、当時のWebスパムチーム責任者Matt Cuttsの指揮で大規模な手動対策が実施。PBNに関連するサイトが一斉にインデックスから除外され、一部のサイト運営者は週末の間にトラフィックの90%を失いました。2022年のLink Spam UpdateではAIベースのSpamBrainがPBNリンクの検出精度をさらに向上。

現在: 完全に根絶はされていませんが、検出リスクが極めて高く、発覚時のダメージも大きいためリスクに見合わないとされています。

寄生SEO(パラサイトSEO)/ ドメイン貸し ▼

流行った時期: 2020年代前半

手法: 大手メディアやニュースサイトのサブディレクトリやサブドメインを借り、そのドメインの権威を利用してアフィリエイト記事やクーポンサイトを上位表示させる。「ドメイン貸し」「サブディレクトリ貸し」とも呼ばれます。日本でも大手新聞社のドメイン配下に無関係な比較サイトが置かれる事例がありました。

潰された経緯: 2024年3月のCore Updateで「Site Reputation Abuse」として正式にスパムポリシーに追加。一部のパラサイトページはオーガニックトラフィックの96%を失いました。

現在: Googleが手動対策と自動検出の両方で対処中。大手メディアがサブディレクトリを第三者に貸すビジネスモデル自体が崩壊しつつあります。

期限切れドメインの悪用 ▼

流行った時期: 2010年代〜2024年

手法: 権威のある期限切れドメイン(大学、政府機関、有名サイト等)を取得し、まったく無関係なコンテンツ(アフィリエイト、スパム等)を設置。旧サイトの被リンクと権威をそのまま引き継いで上位表示を狙う。

潰された経緯: 2024年3月のCore Updateで「Expired Domain Abuse」としてスパムポリシーに明記。

現在: 期限切れドメインの購入自体は合法ですが、前の所有者のコンテンツと無関係な用途に使えば、ドメインの権威がリセットされるリスクがあります。

大量ゲストポスト ▼

流行った時期: 2012年〜2020年代

手法: 他サイトにゲスト記事を大量に寄稿し、著者プロフィールや本文中にリンクを設置する。Penguin後にリンクファームが使えなくなったため、代替手法として普及。

潰された経緯: 2014年にMatt Cuttsが「大量のゲストポストによるリンク構築は避けるべき」と警告。Helpful Content UpdateとLink Spam Updateでさらに精度が上がり、テンプレート的なゲストポストからのリンクは無効化される傾向に。

現在: 少数の高品質なゲスト寄稿は問題ありません。問題なのは「リンクを得るために書く」大量生産型のゲストポストです。

AI大量生成コンテンツ ▼

流行った時期: 2023年〜現在

手法: ChatGPT等のLLMを使って数百〜数万ページを自動生成し、ロングテールキーワードで大量にインデックスさせる。AI自体の使用は禁止されていませんが、「検索結果を操作する目的での大量生成」がスパムとされています。

潰された経緯: 2024年3月のCore Updateで「Scaled Content Abuse」がスパムポリシーに追加。Googleは「低品質・独自性のないコンテンツを40%削減する」と宣言し、45日間のロールアウトで対処。

現在: AIで書くこと自体はペナルティではありません。ただし、人間による編集・ファクトチェック・独自の視点がないまま大量に公開すれば、Scaled Content Abuseとして扱われるリスクがあります。

筆者がこのサイトでやっていること

このサイト(Canarii)はWordPressではなく、Wagtail(Django製CMS)をAWS上に構築しています。エンジニアとしてインフラからフロントエンドまで自分で組んでいるので、一般的なブログ運営者が気にしないレベルの技術的な最適化もやっています。

具体的には、画像はすべてAVIF形式で配信し、Schema.org構造化データをNewsArticle・FAQPage・BreadcrumbListで設定し、HTMLは不要な空白を除去して圧縮しています。CDNのキャッシュ戦略で静的アセットと動的ページを分離し、表示速度を最適化しています。IndexNowも導入済みで、記事公開から数分でBingにインデックスされます。

ただし、正直に言えば、これらの技術的な対策がコアアップデートで順位を上げているかは証明できません。技術的なSEOは「減点されない」ための施策であり、「加点される」のは結局コンテンツの中身だと感じています。

ソフトウェアエンジニアとしてGoogleの発言を読むと

私はソフトウェアエンジニアとしてテック企業の開発文化の中にいる人間です。その視点でGoogleの公式発言を読むと、額面通りに受け取る人や完全に無視する人とは違う読み方をしています。

この記事で取り上げた「噂」について、Googleの設計思想を踏まえてどう読めるかを書いてみます。正解ではなく、エンジニアの視点からの解釈です。

「構造化データはランキング要因ではない」をどう読むか ▼

「じゃあ不要だ」と判断する人がいますが、Googleの上位の設計思想は「ユーザーにとって最も価値のあるコンテンツを上位に表示する」です。構造化データがあればリッチリザルトが表示され、ユーザーはページを開く前に中身を推測できます。自分が求めている情報だと判断した人がクリックする。興味のない人はスルーする。結果として「ページを開いた人の満足度」は上がります。

それがランキングに間接的に影響するかどうかは証明できませんが、Googleの設計思想と矛盾していません。このサイトで構造化データを積極的に使っているのは、そういう読みからです。

「更新頻度はランキング要因ではない」をどう読むか ▼

「頻度を上げても無意味」ではなく、「頻度そのものではなく、更新によってコンテンツの質が上がるかどうかが問われている」と読めます。日付だけ変えて中身を変えない手法をGoogleがわざわざ検出する仕組みを作っていることからも、見ているのは「更新された」という事実ではなく「更新によってユーザーにとっての価値が増えたか」です。

このサイトのエバーグリーン記事に更新履歴セクションを付けているのは、頻度のためではなく、読者が「この情報はいつ時点のものか」を判断できるようにするためです。

「被リンクはトップ3ではない」をどう読むか ▼

「リンクが無意味になった」ではなく、「コンテンツの質やユーザー体験のシグナルがリンクより上位に来た」と読めます。Gary Illyesが「リンクなしで1位を取っているサイトがある」と言ったのは、コンテンツの質だけで十分な場合があるという意味であり、リンクのシグナルを廃止したという意味ではないでしょう。

良い記事を書いて、それを誰かが紹介してくれた結果のリンクは、「このページは他の人にとっても価値がある」というシグナルそのものです。それを検索エンジンが無視する理由がありません。

「文字数はランキング要因ではない」をどう読むか ▼

文字数そのものを数えているのではなく、「トピックが十分にカバーされているか」を見ているのだと思います。3000文字で十分に説明できるトピックを1万文字に引き伸ばしても、読者は途中で離脱します。逆に、3000文字では説明しきれないトピックを3000文字で書けば、読者の疑問は解決しません。

「必要な文字数はトピックが決める」というのがエンジニア的な読みです。

「Core Web Vitalsだけでは順位は上がらない」をどう読むか ▼

表示速度の改善は「ユーザー体験の改善」であり、「SEOテクニック」ではありません。ページが3秒で表示されるのと0.5秒で表示されるのとでは、ユーザーの離脱率が変わります。Googleがこれをランキングに反映するのは、速いページを優遇したいからではなく、ユーザーが実際に満足するページを上位に出したいからです。

技術的な最適化をSEOテクニックとして捉えるのではなく、「読者が快適にページを読める環境を整える」と捉えたほうが、やるべきことが明確になります。

「ページ数は多いほうがいい / 少ないほうがいい」をどう読むか ▼

どちらも正確ではありません。Googleが見ているのは「ページ数」ではなく「品質の比率」です。Helpful Content Updateのサイトワイドシグナルを設計思想から読めば、「サイト内の低品質ページの割合が高いと、高品質ページまで巻き込まれる」という仕組みです。

つまり、質の高いページを増やせばサイト全体の評価は上がりますし、質の低いページを削除しても比率が改善して同じ効果が出ます。「ページ数を増やす」「ページ数を減らす」は手段であって、目的は「品質の比率を上げる」です。

このサイトでは、ニュース速報も含めて全記事を一次ソースのクロスチェック付きで書いているので、ページ数を気にしたことはありません。1記事1記事を「検索で来た人の疑問を解決するか」だけで判断しています。

「セマンティックHTMLはSEOに意味がない」をどう読むか ▼

これはソフトウェアエンジニアとして明確に反対意見があります。セマンティックHTMLは「Googleのために書く」ものではなく、「ページの構造を機械が正しく理解できるようにする」ための標準仕様です。

Googleのクローラーがページを解析するとき、<main>の中が主要コンテンツで<aside>はサイドバーで<nav>はナビゲーションだと伝えることで、「このページのメインの情報は何か」を正確に伝えられます。全部<div>で書いても表示は同じですが、機械にとっての読みやすさがまったく違います。

「ランキングブーストにはならない」としても、正しいコンテンツが正しいクエリにマッチする精度が上がります。ソフトウェアの世界では、仕様通りに実装することで恩恵を受けるのは当然の話で、「直接順位が上がらないからやらない」というのは、エンジニア的には不自然な判断です。

Googleの中の人の発言が100%正直ではないことは、API流出事件が証明しました。でもGoogleがやっていることを15年分並べれば、方向性は一貫しています。ソフトウェアの世界は意外と美学で動いていて、「ユーザーにとって良いものが勝つ」という原則は、少なくともGoogleの検索チームに関しては守られてきたと私は思っています。正しいかどうかはわかりません。でも、この方向に賭けて裏切られたことは今のところありません。

2026年3月・5月コアアップデートの上昇・下降要因と照合する

2026年3月のコアアップデートでは、業界の観測ツール(Ahrefs・Semrush)が監視対象ドメインの約55%で順位変動を検出しました。Amsive社の分析では上位3位の79.5%が動き、上位10位の24.1%が100位以下に転落するという、過去最も激しい変動が確認されました。上昇したサイトと下降したサイトに共通する特徴が報告されています。このサイトの技術実装と照らし合わせてみます。

上昇要因このサイトの該当状況
独自調査・固有データを含むGA4の実データ分析、OSSの技術検証、ベンチマーク計測など、一次情報ベースの記事が中心
著者の実体験に基づく一次情報自作CMSの運用、インフラ構築、デプロイ障害対応など、自分が手を動かした内容を書いている
詳細な著者プロフィールドメインルートにPerson型構造化データ(資格・技術スタック・経歴・sameAs)を配置し、記事のauthor URLがそこを指す
下降要因該当するか
他サイトの情報をまとめただけ該当しない。海外ニュースの紹介記事も一次ソースのクロスチェックと独自考察を加えている
著者情報がない該当しない。全記事に著者名・肩書を表示し、構造化データでPerson型として出力
テンプレート的に大量生成されたページ群該当しない。全記事を個別に執筆

技術的な観点で補足すると、E-E-A-Tのシグナルは構造化データだけで完結するものではありません。このサイトでは、ドメインルート(Canarii)にPerson型のJSON-LDを配置し、そこに資格(応用情報技術者・AWS Cloud Practitioner)、技術スタック13種、GitHub・外部サイトへのsameAsリンクを記述しています。記事ページのBlogPosting/TechArticleスキーマからauthorのURLがドメインルートを指しているため、Googleは著者と記事を紐づけて認識できる構造になっています。

canonical URLとOGPメタタグはCMSのSEOミドルウェアで全ページに自動出力し、サイトマップは通常版とGoogle News版の2本を生成しています。IndexNowによるBingへの即時通知も実装済みです。

これらが直接順位を押し上げるかは前述の通り証明できませんが、コアアップデートの上昇要因として報告されている特徴と技術的に矛盾しない実装にはなっています。「正しいことを正しくやっていれば、アップデートで慌てる必要はない」というのが、ここまでの運用で得た感覚です。

2026年5月版で起きていること ― AI検索統合と「アグリゲータ後退」の続編

5月版のロールアウトは2026年6月2日に完了しました。第三者の分析では、3月版で出たパターンの続きが起きたという見方が中心です。Viaconの分析は、検索が「キーワードに対する固定的な順位付け」から「ユーザーの意図のかたまりと文脈に応じた解釈」へと軸足を移している、と整理しています。

完了後に出た第三者分析では、勝ち負けの傾向がもう少しはっきり出ています。上昇側は、大手・確立されたブランド、市場に特化したサイト、自社でコンテンツを保有しているサイト、ユーザーの実際の目的に合致するページ。下落側は、薄いアグリゲーター、求人ポータルや旅行・価格比較のテンプレート型サイト、汎用的なAI生成アフィリエイトページ、独自性のない商品説明を並べたEC。ギャンブル系は hyper-YMYL(お金と健康の中でも特に慎重に扱われる領域)として扱われ、特に激しい変動が報告されました。いずれも第三者ツールとエージェンシーの観測であり、Googleは影響を受けたサイトの傾向を公表していません。

3月版で観測された傾向の中で、5月版でも再現性が高かったものは以下です。これらも第三者の観測です。

  • ―一次ソース(First-party)の優遇: Netflix・Spotifyのような配信元の自社サイト、政府機関、企業の採用ページ、NIH/FDAなどの公的医療情報サイトが上昇
  • ―アグリゲータの後退: Booking.com、Expedia等のOTA、Indeed(-18%)、ZipRecruiter(-21.6%)、比較サイトといった「他者のコンテンツを集約・要約する中間層」が大きく下落
  • ―AI Overviewsで代替されやすいリファレンス系の後退: 「○○とは」のような概要型クエリで、AI Overviewsが回答を組み立てやすい範囲のページが押し下げられる
  • ―YMYL(健康・金融・法律)の高ボラティリティ: 著者情報が明示されていない医療・金融サイトが下落幅の中心

この方向性自体は3月版のレポートから続いているもので、Helpful Content Updateの「サイトワイドシグナル」の延長線上にあります。AI Overviewsが月間25億人に到達した以上、「Googleが概要をAIで生成する → 元ネタの一次ソースは保護する/中継地点は不要になる」という配分が当然のように働く、というのが業界側の読み方です。

今回のアップデート特有の難しさ ― 影響の切り分けがほぼ不可能

5月版で過去のコアアップデートと根本的に違うのは、同じ週にGoogle I/O 2026の発表が重なっているという点です。AI Modeの既定モデルがGemini 3.5 Flashに切り替わり、検索ボックスのUIが25年ぶりに刷新され、「情報エージェント」と呼ばれる新しい仕組みが順次展開されています。これらは検索結果に出るリンクの選び方・表示形式・クリック行動を同時に変える可能性があります。

サイト運営者の側からは、Search Consoleで見えている変動が、

  • ―コアアップデートによるランキングそのものの動きなのか
  • ―AI ModeやAI Overviewsの仕様変更で、検索結果上の表示位置・形態が変わったことによる動きなのか
  • ―新しい検索ボックスUIで、ユーザーがそもそも違うクエリを打つようになった結果なのか

を区別する手段が、ほぼありません。Search Engine Landも「観測されているボラティリティの一部はI/Oで発表されたAI検索の変更に由来する可能性があり、現時点では正確な帰属(attribution)が難しい」と指摘しています。

筆者の見解としては、こうしたタイミングでサイト側ができる合理的な選択肢は2つだけです。慌ててコンテンツを書き換えないこと(Google公式の指針通り、ロールアウト完了後1週間待ってからデータを見る)、そして「AI検索の引用元になる」「AI Overviewsで要約される元ネタ側に立つ」という方向に静かに寄せていくこと。前者の重要性はこれまでのアップデートと同じですが、後者は2026年に入ってから明確に重みが増した戦略です。

具体的には、固有のデータ(自分で取った数字、自分で動かしたコード、自分で運用したインフラ)、原典への参照、著者情報の明示、独自の解釈・体験。これらはAI Overviewsがどれだけ要約しても、最後に「引用元のリンク」として残るタイプの情報です。逆に、複数の二次情報を寄せ集めただけのページは、要約段階で「中継地点」として消えていきます。

アップデートの告知がない期間にやっていること

2026年6月26日以降、今日まで公式のランキングアップデートは一件も告知されていません。約7週間半、Googleの側からは何も動いていないことになります。この期間にやっているのは3つだけです。

  • ―ポリシーの新設分に自分のサイトが引っかからないか確認する。2026年6月15日に施行されたback button hijackingは、広告やモーダルの実装によっては意図せず該当しかねません。このサイトでは戻る操作に介入する処理を入れていないので該当しませんが、確認はしました。
  • ―公式ガイドが「やらなくていい」と書いたことをやらない。生成AI最適化ガイドが出るまでは llms.txt の設置を検討していましたが、公式に「特別扱いはしない」と書かれた以上、やめました。工数をかけない判断も、一次情報を読んで初めてできます。
  • ―順位ではなくクエリの中身を見る。7〜8月の変動が何によるものか特定できない以上、順位の平均値を追っても何も出ません。どのクエリで流入していたのかをSearch Consoleで見て、検索・Discoverそれぞれの動きを分けて記録しています。

アップデートがない期間は、何もしなくていい期間ではなく、次に何か起きたときに比較できるデータを貯める期間です。落ちてから過去のデータを探しても手遅れです。

WordPressでもできること

WordPressを使っている方でも、AVIF画像の配信はプラグイン(ShortPixelやImagify等)で対応できますし、Schema構造化データもYoast SEOやRank Mathが自動生成してくれます。インフラまで自分で組む必要はありません。重要なのは、自分のサイトの表示速度をPageSpeed InsightsやSearch Consoleで定期的に確認し、明らかに遅い箇所があれば直す、という習慣です。

参照元

更新履歴

  • 2026年8月17日 ― 2026年6月末以降の状況に全面更新。冒頭を「展開中の公式アップデートはゼロ(最後はJune 2026 spam update、6月26日完了)」「7〜8月の未確認の順位変動はGoogleが確認しておらず、GA4・Ad Manager・Discover流入減など別の技術的事象と重なっている」の2点に書き替え。全履歴テーブルにJune 2026 Spamを追加し、2026年分の日付・所要時間をSearch Status Dashboardの一次情報に合わせて訂正(Feb 2026 Discover Coreの完了日、March/May Coreの所要時間)。「February 2026 Discover core update」「March 2026 / June 2026 spam update」「2026年に追加された公式ポリシーとドキュメント」の3つのh3を追加(back button hijacking、生成AI最適化ガイド、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート)。新セクション「AI Overviewsで流入はどれだけ減ったのか」を追加し、公式データが存在しないことと第三者調査のばらつきを整理。SEO常識セクションに「llms.txt を置けばAI検索に有利になる」「AI検索向けにコンテンツをチャンク分割すべき」の2項目を追加。Danny Sullivanの肩書き(2025年8月にSearch Liaison職を退任、後任なし)を訂正。May 2026 Core Updateの記述を完了後の状態に更新。参照元を12件追加。
  • 2026年5月26日 ― May 2026 Core Update対応。冒頭の最新動向ボックスを5月版に差し替え、全履歴テーブルに May 2026 Core を追加し March 2026 Core を完了状態に更新。「May 2026 Core Update(2026年5月)― AI検索統合と同じ週に投入」セクションと、5月版固有のアグリゲータ後退・AI検索との同時進行に関する分析を追加。
  • 2026年3月28日 ― 初版公開
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