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LINEでiPhoneが固まる原因と直し方。26.3.0より前なら既知の不具合

iPhone版LINEに、送られてきたリンクを開くとダイアログが延々と表示され、スマホが一時的に操作できなくなる不具合が見つかりました。管理番号はCVE-2026-3861。原因はアプリ内ブラウザの処理不備で、26.3.0より前が対象です。トークやアカウントは盗まれず、最新版に更新すれば防げます。確認方法と対処をまとめました。

ニュース2026年7月13日公開 4日前更新
目次
この記事のポイント

iPhone版LINEに、送られてきたリンクを開くとダイアログが延々と表示され、スマホが一時的に操作できなくなる不具合が見つかりました。管理番号はCVE-2026-3861。原因はアプリ内ブラウザの処理不備で、26.3.0より前が対象です。トークやアカウントは盗まれず、最新版に更新すれば防げます。確認方法と対処をまとめました。

iPhoneでLINEを使っていて、リンクを開いた瞬間に確認のポップアップが次々と出てきて、消しても終わらない。画面がそれで埋まり、何も押せなくなる。この症状には、はっきりした原因がひとつあります。

iOS版LINEの26.3.0より前のバージョンに残っている、既知の不具合です。管理番号はCVE-2026-3861。開発元のLINEヤフーが2026年4月に修正済みで、26.3.0以上に上げれば起きなくなります。トークの中身が盗まれたり、アカウントを乗っ取られたりする種類のものではありません。

逆に言えば、26.3.0以上なのに固まるなら、原因はこの不具合ではありません。この記事は、まずその切り分けができるように書いています。バージョンの見かた、該当した場合の直しかた、該当しなかった場合にどこを見ればいいかの順で進みます。

結論(3行)

  • iOS版LINEが26.3.0より前なら、細工されたリンクを開くと確認画面が出続けて操作できなくなる。既知の不具合で、更新すれば直る。
  • 26.3.0以上なら対象外。2026年8月時点のApp Storeの最新版は26.12.1なので、ふつうに更新している人はとっくに直っている。
  • この不具合でトーク・連絡先・アカウントが盗まれることはない。固まったらアプリを終了するか再起動すれば戻る。実際に悪用された報告も出ていない。

まず、LINEのバージョンを見る

該当するかどうかは、バージョンが26.3.0以上かどうかだけで決まります。確認は30秒で終わります。

LINEアプリを開き、ホームタブの右上にある設定(歯車のアイコン)をタップします。下のほうまでスクロールすると「LINEについて」という項目があるので、それを開くと現在のバージョンが表示されます。

表示されたバージョンこの不具合の対象かやること
26.3.0より前対象
(固まる恐れあり)
App Storeで更新する
26.3.0以上対象外
(修正済み)
別の原因を探す
Android版対象外通常どおり

2026年8月時点でApp Storeが配っているLINEは26.12.1(2026年8月11日更新)です。修正が入った26.3.0からは9つ先に進んでいるので、自動更新をオンにしている人は、この不具合のことを知らないまま通り過ぎているはずです。

気をつけたいのは古いiPhoneを使っている場合です。現在のLINEはiOS 18以上を必要とするため、それより古いiOSの端末には最新版が入りません。「更新ボタンが出てこないから最新のはず」と思い込まず、必ず上の手順で数字を見てください。26.3.0より前で止まっているなら対象です。なお、LINEヤフーは古いバージョンのサポートを順次終了しており、iOS版は14.6.3未満のサポートがすでに終了しています

26.3.0より前だった場合、何が起きているのか

CVE-2026-3861:アプリ内ブラウザの確認画面が止まらない

LINEでトークに貼られたリンクをタップすると、SafariではなくLINEの中に組み込まれたブラウザ(アプリ内ブラウザ)でページが開きます。ニュースやクーポンをLINEから離れずに読める、あの画面です。

Webページには、「LINEを開く」「地図アプリを開く」のように別のアプリを呼び出す命令(URLスキーム)を埋め込めます。ふつうはタップした時に1回だけ「開きますか?」と確認が出ます。ところが26.3.0より前のLINEでは、この確認を出す回数に歯止めがかかっていませんでした

その結果、そう作られたページは確認画面を一瞬で何百回も連続して呼び出せてしまいます。消しても次が出てくる状態になり、iPhone全体が反応しなくなります。JPCERT/CCが運営するJVNの注意喚起(JVNVU#94039788)は、これを「特別に細工されたWebページを開くことでダイアログが繰り返し表示され、デバイスが一時的に操作不能になる可能性があります」と説明しています。

項目内容
管理番号CVE-2026-3861
JVNVU#94039788
対象iPhone・iPad版のLINE
26.3.0より前
直っている版26.3.0以降
起きること画面が確認ダイアログで埋まり
一時的に操作できなくなる
情報流出・乗っ取りなし
深刻度7.1(CVSS 4.0)
6.5(CVSS 3.1)
いずれも開発元の申告値
悪用の報告なし
(2026年8月19日時点)
開発元LINEヤフー株式会社

直しかたは、アプリを更新するだけです。iPhoneの「App Store」を開き、右上のアカウントアイコンをタップして、一覧にLINEがあれば「アップデート」を押します。見当たらなければ検索でLINEのページを開き、「開く」ではなく「アップデート」と出ていないか確認してください。更新後にバージョンが26.3.0以上になっていれば終わりです。

今後同じことで悩まないためには、アプリの自動更新をオンにしておくのが確実です。iPhoneの「設定」→「App Store」→「Appのアップデート」をオンにしておけば、修正が出たときに自分で操作しなくても入ります。

26.3.0以上なのに固まる場合

その場合、ここで説明した不具合ではありません。26.3.0以降では、確認画面が繰り返し出る動作そのものが塞がれています。同じ「固まる」でも別の原因を探すことになります。

切り分けの手がかりは、「リンクを開いた瞬間に、確認のポップアップが積み重なって固まる」かどうかです。この記事の不具合は症状がかなり特徴的です。ポップアップが出ないまま画面が止まる、アプリが落ちる、動作が全体に重い、特定のトークだけ開けない ── これらはいずれも別の話です。

その場合にまず試すことは、LINE公式ヘルプの「不具合や問題が発生した場合の対処方法」にまとまっています。公式が挙げている手順は次のとおりです。

LINE公式が案内している手順

  • 端末の電源をオフにした後、入れ直す(再起動する)
  • LINEをアップデートする
  • LINE内のキャッシュを削除する
  • 端末内の不要なアプリやデータを削除する(空き容量が2GB以上あるか確認)
  • 4G/5G/Wi-Fiを一度オフにして、再度オンにする
  • ウェブ利用制限やフィルタリングサービスの内容を確認、または解除する
  • (iPhone・iPad向け)端末のOSをアップデートする/「Appを取り除く」を実施する

LINEに限らずアプリ全般が不安定なら、Appleの「アプリが反応しない/予期せず終了する場合」の手順も参考になります。アプリの強制終了、端末の再起動、アップデートの確認、それでも直らなければ削除して再ダウンロード、という順です。ただし再ダウンロードするとアプリに保存していたデータが消える場合があるとAppleも書いているので、LINEでこれを試す前には必ずトーク履歴のバックアップを取ってください。

この記事で断定できるのは、26.3.0以上ならCVE-2026-3861は無関係だという一点です。それ以外の原因まで、この記事の範囲で決めつけることはしません。

いま固まっている、という時の戻しかた

先に書いておくと、ここに書く操作でトーク履歴や写真が消えることはありません。落ち着いて順番に試してください。

まず、LINEアプリを終了する。画面の下から上へゆっくりスワイプして指を止めると、開いているアプリが並ぶ画面になります。LINEのカードを上に払えば終了します。多くの場合はこれで戻ります。

それでも操作を受け付けないときは、iPhoneを再起動する。電源ボタンと音量ボタンを同時に長押しして電源オフのスライダーを出し、電源を切ってから入れ直します。画面が完全に反応しない場合は、Appleが案内している強制再起動の手順を使ってください。再起動後、LINEを開いてバージョンを確認し、26.3.0より前ならその場で更新します。

送られてきたリンクに心当たりがない場合は、同じリンクを二度開かないこと。相手をブロックしたいときは、トークルーム右上のメニューから操作できます。

誰が、何のために使うのか

この不具合を実際に使うとしたら、それは特定の相手を困らせたい人です。トークでもめている相手、しつこく絡んでくる相手、あるいは迷惑メッセージをばらまく送り主などが想定されます。お金や情報を盗む目的の攻撃者にとっては何も手に入らないので、旨みがありません。動機としては嫌がらせに近いものです。

やることは単純で、細工したリンクをトークに送りつけ、相手がタップした瞬間に画面をダイアログで埋め尽くすだけです。受け取った側から見れば、いつも通り届いたリンクを開いただけなのに、突然iPhoneが言うことを聞かなくなる、という体験になります。ページを開くだけで何かが起きる点では、見ただけで感染するiPhone向けスパイウェアと入り口だけは似ています。

ただし失うものはまったく違います。ここで失うのは「その場の数十秒から数分、スマホが使えない時間」だけです。企業や組織にとっても、社員個人の端末で起きる一時的な不便にとどまり、社内システムが壊れるような話ではありません。米政府CISAが公開している実際に攻撃されている脆弱性のリスト(KEV)にも、2026年8月18日版まで一度も載っていません。NVDに付いている評価でも「悪用は確認されていない」とされており、公開情報の範囲で、この不具合が実際に使われたという報告は見当たりません。

技術的に見ると

原因は、アプリ内ブラウザがWebページから呼ばれるURLスキームの確認ダイアログを表示する際に、回数や頻度の上限を持っていなかったことです。JVNの表現では「任意のURLスキームを処理する際の保護が不十分」となっています。

分類は、データベースによって割れています。JVNはCWE-400(リソース消費の制御不備)、NVDはCWE-451(重要な情報のUI上の不実表示)を当てています。前者は「出し続けられること」を、後者は「画面が本来の情報を表示できなくなること」を問題の中心に見た違いで、どちらの見かたでも起きることは同じです。

深刻度はCVSS 4.0で7.1、CVSS 3.1で6.5。ただしこれはいずれも開発元であるLINEヤフーが申告した値で、NVDによる独自評価は付いていません。3.1のベクターは AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:H で、機密性(C)と完全性(I)はNつまり影響なし、可用性(A)だけがHになっています。「盗まれる」ではなく「使えなくなる」に振り切った欠陥であることが、この並びから読み取れます。UI:Rは利用者がリンクをタップする操作が必要という意味で、勝手に発火するものではありません。

報告はバグ報奨金プラットフォームHackerOne経由で行われ、LINEヤフーがJPCERT/CCと調整のうえで公表・修正に至りました。同社は自社製品の脆弱性をセキュリティアドバイザリブログで継続的に公開しています。アプリ内ブラウザは、他のアプリを呼び出せる自由度と引き換えに、こうした「呼び出しの乱用」を止める作り込みが要る部分で、スマホアプリ全般に通じる注意点でもあります。

公表までの経緯

この不具合は「2026年7月に見つかった」と受け取られがちですが、正確には違います。開発元の公式アドバイザリと修正版は2026年4月16日に出ており(4月30日に内容が更新されています)、7月13日のJVNの注意喚起は、その約3か月後に国内利用者へ改めて周知したものです。国内の報道が7月中旬に集中したのはJVNの公表を受けたもので、修正版はその時点ですでに広く行き渡っていました

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よくある疑問

Q. この不具合でLINEのトークやアカウントは盗まれますか?

A. いいえ。盗まれることも、乗っ取られることもありません。起きるのは画面が一時的に固まることだけで、トーク履歴・連絡先・写真などのデータには影響しません。深刻度の内訳でも、情報の漏えいに関する項目はすべて「影響なし」と評価されています。

Q. すでに更新してあります。過去に開いてしまったリンクの影響は残りますか?

A. 残りません。その場でダイアログが積み重なるだけの不具合で、端末に何かが仕込まれる種類ではありません。更新後は、以前に開いたページのことを気にする必要はありません。

Q. Android版のLINEは大丈夫ですか?

A. 対象はiPhone・iPad版(iOS版)だけです。Android版は含まれていません。スマホのアプリまわりの動きが気になる方は、Androidの野良アプリ規制もあわせてどうぞ。

Q. パソコン版やiPad、LinuxのLINEは?

A. 対象はiOS版アプリです。iPadもiOS版に含まれます。LinuxでLINEを動かす方法など環境まわりは別記事で扱っています。

Q. いまも危険な状態が続いているのですか?

A. 更新していれば終わった話です。修正から4か月が経ち、JVNの改訂も、開発元の追加告知も、実際に悪用されたという報告もありません。残っているリスクは「更新していない端末が手元にある」場合だけです。

まとめ

iPhoneでLINEを使っていて、リンクを開いた途端に確認のポップアップが止まらなくなり操作できなくなる ── この症状に心当たりがあるなら、まずバージョンを見てください。26.3.0より前なら、原因はCVE-2026-3861という既知の不具合です。更新すれば直ります。

26.3.0以上ならこの不具合は無関係で、別の原因を探すことになります。どちらにしても、失うものは時間だけで、トークやアカウントが危険にさらされる話ではありません。これから長く使うなら、LINEは26.3.0以上 ── いまのApp Storeなら26.12.1 ── にしておく。押さえるのはそれだけです。

参照元

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堀川 慎

Backend Engineer / AWS / Django / Go