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「営業ではありません」の相互リンク依頼に返信してみたら、dofollowでリンク交換しようと返ってきた

問い合わせフォームに届く「相互リンクのご提案(営業ではありません)」。2か月半で15通来たので、2通に返信して条件を聞いてみたら「相互にdofollowで設置」と返ってきた。差し込み先の質屋のコラムには、すでに無関係なリンクが6本。見分け方、送られてくる仕組み、届いたときの対処を実際の画面つきでまとめた。

ラボ2026年9月25日公開
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この記事のポイント

問い合わせフォームに届く「相互リンクのご提案(営業ではありません)」。2か月半で15通来たので、2通に返信して条件を聞いてみたら「相互にdofollowで設置」と返ってきた。差し込み先の質屋のコラムには、すでに無関係なリンクが6本。見分け方、送られてくる仕組み、届いたときの対処を実際の画面つきでまとめた。

うちのサイト(kkm-mako.com)の問い合わせフォームに、「相互リンクのご提案(営業ではありません)」っていうメッセージがやたら届く。

数えてみたら、2026年7月4日から9月24日までで15通。

で、そのうち2通に返信して「どこに、どんなリンクを貼るつもりなの?」って聞いてみた。答えが返ってきた1通に書いてあったのがこれ。

属性: 相互に「dofollow」での設置を想定しております。

dofollowっていうのは、検索エンジンにリンクの評価をそのまま渡す設定のこと。しかも「うちの不正アクセス事件の記事に、『(地域名)で質屋をお探しなら高額査定の(社名)』って文言でリンクを貼ってほしい」という依頼つきだった。

いや、不正アクセスの記事を読んでて急に質屋に飛ばされる人の気持ちよw

もちろん、このリンクは貼らない。Googleはスパムに関するポリシーで、過剰な相互リンクをリンクスパムの例として名指ししてる。返信してわかったのは、貼っちゃダメな理由だけだった。

社名・担当者名・メールアドレスは全部伏せた。依頼主のお店がこの営業にどこまで関わってるのか、外からは判断できないからね。

「営業ではありません」の中の人は、たぶん同じ

15通の差出人は14の名義。不動産の買い取り、美容室、エアコン工事、質屋、ハウスクリーニング、配送、スマホ修理。業種も地域もバラバラ。

なのに、そのうち13名義のメールの最後には、一字一句同じ一文が入ってた。

相互リンク依頼の最初のメール。末尾の「当社管理番号を削除せずご返信願います」と管理番号の行を赤枠で囲んでいる
9月18日に問い合わせフォームから届いた1通。名前・メールアドレス・リンク先はぼかしています。

「もしお返事いただける際は当社管理番号を削除せずご返信願います。」

管理番号はメールごとに違う英数字の並び。返信が来たときに、どの依頼主の、どの送信への返事なのかを突き合わせるための番号だと思う。お店の人が自分でメールを書いてるなら、こんな番号はいらない。

ほかにも共通点があって、これが見分けるときの目印になる。

  • ほめ言葉に記事の名前がひとつも出てこない。「細部まで丁寧に作り込まれたコンテンツ発信に、いつも深い感銘を受けております」って文は、7月の不動産会社名義と9月のハウスクリーニング名義で一字一句同じだった。深い感銘、使い回しなんだ…
  • 返信先のアドレスが、お店のサイトとは別のドメイン。「地域名+業種」を並べたメール専用のドメインを用意して、お店のサイトは別の場所にある。13名義ぜんぶこの形だった。
  • 返信先の名前が「backlink@」。backlinkは被リンク(よそのサイトから張られるリンク)のこと。業種も地域も違う2社の名義で、同じ名前だった。自分のお店の窓口に、ふつうその名前はつけないよね。
  • 「営業ではありません」「費用はかかりません」と書いてある。

残りの1通だけは別の業者だった。管理番号なし、Gmailから、しかもうちのAI関連の記事をちゃんと名指ししてきた。営業としてはこっちのほうがよっぽど丁寧。

同じ時期に、関係のない二つの業者が同じ話を持ち込んできたわけで、特定の業者のクセというより、よくある手口なんだと思う。

返信して「で、どこにどんなリンクを貼るの?」と聞いてみた

掲載はOKせずに、判断に必要なことだけ聞く返信を2回送った。

1回目は8月22日。美容室名義のメールに5つ質問した。

  1. うちを載せるページのURL
  2. リンクの文言(アンカーテキスト)
  3. rel属性の指定(検索エンジンに評価を渡すかどうかの指定)
  4. そっちが掲載枠を持ってるサイトの一覧
  5. そのうち自社のサイトと、他社のサイトの内訳

これは返事が来なかった。9月24日の時点でまだ来てない。

2回目は9月4日。質屋名義のメールに、今度は4と5をやめて、代わりに「うちのどのページに載せてほしいの?」を聞いた。そしたら5日後の9月9日に返事が来た。

掲載枠の持ち主を聞いたら無視されて、それを外したら返ってきた。理由まではわからないけど、そこは聞かれたくなかったのかもね。

返ってきた条件:不正アクセスの記事に、地域名+質屋のリンクをdofollowで

返信メールの後半。希望掲載ページに不正アクセスの記事、アンカーに地域名と質屋を含む文言、属性は相互にdofollowと書かれている
9月9日に届いた返信の後半。地域名・社名・リンク先・短縮URLはぼかしています。

うちのページで指定されたのは、まんだらけの不正アクセスを扱った記事。質屋とも、相手の業種とも関係ない。

リンクの文言は「(地域名)で質屋をお探しなら高額査定の(社名)」。これ、読む人のための案内じゃなくて、「地域名+質屋」で検索されたときに順位を上げたいだけの文言なんだよね。

すぐ下には「上記が難しい場合は、トップページ等への掲載でも問題ございません」。最初のメールではうちの記事をほめてくれてたのに、結局どのページでもいいらしい。

そして「属性:相互に『dofollow』での設置を想定しております」。お互いに、検索エンジンの評価を渡し合うリンクを貼ろう、という条件。

Googleのスパムに関するポリシーは、リンクスパムの例として次を挙げている。

「過剰な相互リンク(「リンクする代わりにリンクしてもらう」)」

同じページには、こうしたリンクでも rel="nofollow" や rel="sponsored" を付けていれば違反にならない、とも書かれている。Google 検索のスパムに関するポリシー

「dofollowで」ってわざわざ書いてくるのは、その指定を付けないってこと。つまり、ポリシーに引っかかるほうの貼り方を、向こうから指定してきてる。

同じ返信の前半には、向こうのサイトに載せる掲載案も書いてあった。

返信メールの前半。質屋のコラムの見出し「利用時の注意点とデメリット」の下に、フリーランスエンジニアのサイトを紹介するHTMLを入れる掲載案
同じ返信の前半にあった、相手のサイト側の掲載案。掲載先のURLはぼかしています。

質屋のコラムの「利用時の注意点とデメリット」って見出しの下に、「将来の働き方やキャリアについて考える方もいらっしゃるかもしれません。フリーランスエンジニアとして活動されている堀川慎さんのサイトも、一つの参考になるかもしれません」っていう段落を入れるらしい。そのまま貼れるHTMLまでついてた。

質屋のデメリットを読んでたら、急に俺のサイトをすすめられる。いや、なんでだよw

差し込み先の質屋のコラム、すでに無関係なリンクが6本あった

9月24日に、そのコラムをブラウザで開いてみた。うちへのリンクはまだ入ってなかった。

そのかわり、同じ形の段落がもういくつも入ってた。

質屋のコラムの一部。質屋の説明のあとに英語学習や海外生活のサイトを「参考」として紹介する段落が並び、その下に見出し「利用時の注意点とデメリット」がある
掲載先として示された質屋のコラム(9月24日確認)。リンク先のサイト名はぼかしています。

「質屋を賢く利用して得た資金や心の余裕を、自己投資に充てることも一つの選択肢です」から英語学習のサイトへ。「海外での生活や経験は、あなたの夢や目標を見つけるヒントになるかもしれません」から海外生活のサイトへ。

ページ全体で数えたら、英語学習、海外生活、雑学、刑事事件の法律解説、相互リンクをすすめるページ、ブロックチェーン開発の会社と、外部リンクが6本。全部「〜も参考になるかもしれません。参考:(サイト名)」っていう同じ書き方で、rel属性の指定もなし。

送られてきた掲載案とまったく同じ型。OKしてたら、うちは7本目としてここに並んでたわけだ。その見返りに、うちは自分の記事から「地域名+質屋」のリンクを出す。…割に合わなすぎるでしょ。

ちなみに、一部のメールと返信には「よくある質問」として短縮URLが貼ってあった。短縮URLは踏まずに、飛び先のページを直接開いたら、相互リンクのFAQだった。

相互リンクのよくある質問のページ。リンク属性はdofollow、既存の記事のうち関連性の高いものに掲載すると書かれている
メールに貼られていた「よくある質問」のページ(9月24日確認)。同じページの上部と下部をつないでいます。

「dofollowにてリンクさせていただきます」。で、新しく紹介記事を書いてほしいって要望には「SEOの観点から、貴社サイトと関連性の高い既存の記事にリンク掲載をさせていただきます」。

その「関連性の高い既存の記事」が、さっきの質屋のコラムです。

送ってるのはツール、返事を読んでるのは人間

相互リンク営業の流れの図。行きは送り主からフォーム自動送信を経て複数の名義で各サイトの問い合わせフォームへ届き、帰りは受け取った人の返信が使い捨てのメール用アドレスを経て担当者に届き、担当者が手で掲載案や催促を返す
相互リンク営業の送り方と返事の受け方。届いたメールとヘッダ、公開情報から整理した図です。

最初のメールは、どれもうちの問い合わせフォームから届いてた。フォームに入力された内容をうちのシステムがメールにして送る仕組みだから、差出人はうち自身のアドレス(noreply@kkm-mako.com)になる。メールのヘッダ(送信経路の記録)を見ても、送り主の手がかりは何も残らない。

手がかりになったのは、さっきのFAQページ。Google サイト(Googleのホームページ作成サービス)で作られてて、URLには作った人が使ってる Google Workspace(企業向けのGmailなどのサービス)のドメインが入る。

そのドメインは、質屋のものでも、ほかの名義のものでもなかった。依頼主のお店とは別に、相互リンクの取り次ぎを請け負ってる業者がいる、と考えるのが自然だと思う。

そのドメインのSPFレコード(このドメインを名乗ってメールを送っていいサーバーの一覧)を調べてみた。

端末でFAQページのドメインのSPFレコードを調べた結果。include:spf.mail.knockbot.jp の行を赤枠で囲んでいる
FAQページのドメインのSPFレコード(9月24日確認)。ドメイン名はぼかしています。

一覧に knockbot.jp がある。Knockbot(ノックボット)は、企業の問い合わせフォームに営業文を自動で送るサービス。公式サイトによると、平日の午前9時から午後7時まで自動で送信して、本文のURLがクリックされたらリアルタイムにメールで知らせて、届いた返信から人が書いたものだけを振り分けて知らせる機能(オプション)まである。Knockbot 公式サイト

管理番号も短縮URLも、この手の道具の機能だと考えると説明がつく。

ただし、SPFレコードからわかるのは「このドメインがこのサービスの送信元を登録してる」ってところまで。今回のメールがこのサービスから送られた証明にはならない。似たような自動送信サービスはほかにもあるからね。

一方、返信はちゃんと人間が書いてた。9月9日の返信のヘッダを見ると、Gmailで書いたメールを、さくらインターネットのレンタルサーバーにある質屋名義のメール用アドレス経由で送ってる。Gmailは一つのアカウントで複数の差出人アドレスを使い分けられるから、一人で何人分もの名義を回せる。

最初の接触はツールでばらまいて、返事が来た相手だけ人間が引き継ぐ。そういう分担になってる。

9月24日(木)の13時57分には、催促が来た。

9月24日に届いた催促メール。1週間以内を目安に対応予定日を知らせてほしいという行を赤枠で囲んでいる
9月24日に届いた催促。差出人と担当者名はぼかしています。

「1週間以内を目安にご対応いただけるご予定日(期日)をご共有いただけますと幸いです」。

9月9日の返信では、自分たちの側の掲載を「進めております」って書いてたのに、さっき見たとおり24日の時点でコラムには載ってない。先にほしいのは、うちから出すリンクのほうってことね。

返信したら、届く数が増えた?

同じ送り主からの相互リンク営業を週ごとに数えた棒グラフ。7月は1通、8月は3通、8月31日の週から3通、2通、4通と増えている。8月22日と9月4日の返信日を点線で示している
管理番号入りの13名義のメールを、届いた日付で週ごとに数えたもの。7月4日と5日の重複送信は1通と数えています。

最初に返信した8月22日より前の約7週間で4通、後の約5週間で9通。週あたりだと約0.6通から約1.9通で、だいたい3倍。9月3日から18日までは、平日ほぼ毎日1通届いてた。

これだけ見ると「返信したからカモリストに載ったんじゃ…」ってなるんだけど、そうとも言い切れない。

  • 新しく届いた9通は全部問い合わせフォームから。返信に使ったアドレスには1通も来てない。
  • 文面も全部「はじめまして」の体裁で、9月18日の1通なんて7月と同じいちばん古い文面だった。
  • 最初に返信した美容室名義からは、今も返事がない。

送り主が抱えてる依頼主が増えたか、うちのサイトが送り先リストに入る機会が増えたか。そう考えるほうが素直だと思う。

確かめるには、一度も返信してない別のサイトで同じ時期に増えてるかを比べる必要があって、それはまだできてない。

相互リンクの依頼メールが届いたら

リンクは貼らない。dofollowの相互リンクは、Googleがリンクスパムの例に挙げてるやつそのもの。自分のサイトから相手にリンクを出した時点で、こっちも当事者になる。

返信もいらない。俺が返信して得られたのは、この記事に書いた条件だけ。しかも返信すると「前向きなご返信」と受け取られて、OKしてないのに掲載案が届いて、約2週間後には期日を求める催促が来る。

メールの短縮URLは踏まないほうが無難。今回の送り主が使ってるかはわからないけど、自動送信の道具には、本文のURLがクリックされたことを送り主に知らせる機能を持つものがある。

フォームへの投稿自体を減らしたいなら、人には見えない入力欄を置いて、そこに何か入った投稿を捨てる方法(ハニーポット)とか、Cloudflare Turnstile みたいな機械の投稿を見分ける仕組みがある。ただ、うちではまだ試してないので、この手の営業がどこまで減るかはわからない。

Googleに知らせたいなら、スパムの報告フォームがある。Googleは、報告を違反への手動による対策に使うことがあると説明してる。検索結果の品質に関する問題の報告

まだわかってないこと

  • 取り次いでる業者が誰なのか。FAQページのドメインの持ち主まではたどれたけど、その持ち主が送信してるのか、営業の道具一式をほかの業者に配ってる側なのかはわからない。
  • 今回のメールが自動送信サービスから送られたこと。SPFレコードからわかるのは、ドメインとサービスの関係まで。
  • 9月に件数が増えた理由。返信してないサイトとの比較ができてない。

質屋名義の相手には、9月24日の時点でまだ返事してない。

画像:メール、Google サイトのページ、質屋のコラムの画面は、2026年9月24日に筆者が取得し、社名・担当者名・メールアドレス・リンク先などをぼかしたもの。SPFレコードは同日に筆者の端末で調べた結果。件数のグラフは届いたメールの日付から作成。送信経路の図はAI画像生成を使って本稿用に作成。

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Backend Engineer / AWS / Django / Go