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【衝撃】Anthropicの秘密AIモデル「Mythos」が流出。10月IPOも検討中

Anthropicの未発表AIモデル「Mythos」がCMSの設定ミスで流出した。Opus超えの飛躍的変化とされ、サイバー能力は現存モデル最強。同社は10月のIPOも検討中で、評価額3,800億ドルに達している。

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Backend Engineer / AWS / Django

2026.03.277 min8 views

Anthropicの秘密のAIモデルが漏れた

Anthropic(AIアシスタント「Claude」の開発元)が社内で開発していた未発表のAIモデル「Mythos」(内部コードネーム「Capybara」)の存在が、2026年3月26日のFortune報道で明らかになりました。

流出の原因は、AnthropicのWebサイトに紐づいたCMS(コンテンツ管理システム)のデータストアがデフォルトで公開設定になっていたことです。約3,000件の未公開アセット(ドラフトブログ記事、内部画像、PDF等)が誰でも閲覧できる状態でした。セキュリティ研究者のRoy Paz氏(LayerX Security)とAlexandre Pauwels氏(ケンブリッジ大学)がこのデータストアを発見し、FortuneがAnthropicに通知。同社は即座にアクセスを遮断しました。

Anthropicは「早期ドラフトであり、コアインフラ・AIシステム・顧客データ・セキュリティアーキテクチャには関与していない」と影響を限定的と説明しています。

「Mythos」は何ができるモデルなのか

流出した文書によると、MythosはAnthropicの現行最上位モデル「Opus」を超える新たなティアに位置づけられています。Anthropicの広報担当は、Mythosを「ステップチェンジ」(従来の改良ではなく飛躍的な性能向上)であり、「これまで構築した中で最も高性能」だと認めました。

6つの能力が挙げられています。サイバーセキュリティ、コード生成とデバッグ、学術的推論、複雑な多段階推論、エージェントワークフロー、脆弱性発見です。

中でも注目されているのがサイバーセキュリティ能力です。流出文書には「現存するどのAIモデルよりもはるかにサイバー能力が高い」というAnthropic自身の評価と、「脆弱性を防御者の対応をはるかに上回る方法で悪用できるモデルの波が来る」という警告が含まれていました。この報道を受けて、サイバーセキュリティ関連株が下落しています。

Mythosの一般公開は予定されていません。サイバー防御組織への限定的な早期アクセスのみが計画されているとされています。

なぜ流出したのか

原因は単純なヒューマンエラーです。AnthropicのCMSツールでは、アセットがデフォルトで公開設定になっており、非公開にするには明示的な設定変更が必要でした。一部のドラフト文書についてアクセス制限を設定し忘れていた、ということです。

流出したのはMythosに関する情報だけではありません。欧州のCEOを招いた招待制リトリートの情報や、従業員の育休状態を示すラベル付き画像なども含まれていました。「世界で最も高度なAIを開発する会社」のセキュリティ体制として、CMSの設定ミスという初歩的な原因は批判を呼んでいます。

Anthropicは10月に上場するのか

Mythos流出と同時期に、もうひとつ大きなニュースが出ています。Bloombergの報道によると、Anthropicは早ければ2026年10月の上場(IPO)を検討しており、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Morgan Stanleyの3社と主幹事引受の予備協議を行っています。

Anthropicの財務状況は急成長を見せています。

指標数値
年間経常収益(ARR)190億ドル
(年末目標260億ドル)
評価額3,800億ドル
(約57兆円)
累計調達額360億ドル以上
企業顧客数30万社以上
従業員数約2,500名

2026年は「歴史的IPOイヤー」になりそうです。SpaceX(評価額1.5兆ドル)、OpenAI(1兆ドル)、そしてAnthropic(3,800億ドル)と、合計2.9兆ドルの時価総額を持つ3社が同時期に上場を検討しています。ただしAnthropic広報はReutersに対し「上場の時期も、上場するかどうかも決定していない」と回答しています。

Altmanが「Anthropicを救おうとした」とは何か

Mythosの流出とIPO検討の裏側では、もうひとつのドラマが進行しています。Axiosの報道によると、OpenAIのCEO Sam AltmanがAnthropicとペンタゴン(米国防総省)の対立の最中に「救おうとした」とスタッフに語っていたことがわかりました。

経緯はこうです。2026年2月末、Anthropic CEO Dario Amodeiが、Claudeの自律型兵器や国内監視への使用を拒否。トランプ大統領が全政府機関にAnthropic製品の使用停止を命じ、国防総省がAnthropicを「サプライチェーンリスク」(国家安全保障上の脅威)に指定しました。

その緊迫したタイミングで、AltmanはOpenAIのSlackに「Anthropicに"撤退路"を提供できるとペンタゴンが考えている」と書き、「自社を破壊しようとしてきたライバルのCEOを救おうとしているのは奇妙だ」と投稿しています。結果的にOpenAIがペンタゴンとの契約を獲得しましたが、Anthropicに対しては同じ条件(情報機関での展開前に別途合意が必要、という除外条項)が認められませんでした。

3月26日、サンフランシスコ連邦地裁のRita F. Lin判事がペンタゴンのサプライチェーンリスク指定を一時的に凍結する予備差止命令を発令。「公の批判への報復は、典型的な違法な修正第1条報復である」と指摘しました。

今後どうなるのか

Anthropicは現在、3つの大きな流れが同時に進行しています。技術面ではOpus超えのMythosがサイバー防御組織向けに限定公開される計画です。政治面ではペンタゴンとの対立が裁判所の仮差止命令で一時的に凍結されていますが、根本的な解決には至っていません。財務面では10月のIPOに向けた準備が進み、Goldman Sachs等の主幹事候補と協議中です。

この3つの流れが互いにどう影響し合うかが焦点です。Mythosの「現存モデル最強のサイバー能力」という評価は、ペンタゴンとの軍事利用を巡る対立をさらに複雑にします。一方でIPOに向けては、政府との関係が安定していることが投資家にとって重要な判断材料になります。CMSの設定ミスという初歩的なセキュリティ事故が、上場を控えた企業の信頼性にどう影響するかも注視すべきでしょう。

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