Bluesky Attie、AIと会話するだけで自分だけのSNSが作れる
Blueskyが新AIアプリ「Attie」を発表。Anthropic Claudeを搭載し、「こんな投稿が見たい」と話すだけでカスタムフィードを自動生成する。招待制ベータで提供開始。Xとの違いや使い方を解説
ニュース
kkm
Backend Engineer / AWS / Django
Blueskyが新AIアプリ「Attie」を発表。Anthropic Claudeを搭載し、「こんな投稿が見たい」と話すだけでカスタムフィードを自動生成する。招待制ベータで提供開始。Xとの違いや使い方を解説
Blueskyが新しいアプリ「Attie」を発表しました。「電子音楽の投稿だけ見たい」「プログラミングの話題だけ集めて」と話しかけるだけで、AIがあなた専用のタイムラインを自動で作ってくれるアプリです。
裏側で動いているのは、Anthropicが開発したAI「Claude」。2026年3月28日、Blueskyの年次カンファレンス「Atmosphere」で初公開されました。
Attieで何ができるのか
ひとことで言えば、「自分だけのタイムラインを、AIと会話するだけで作れる」アプリです。
たとえば、チャット画面に「ネットワーク内の人々から電子音楽と実験的サウンドを見せて」と入力します。するとAttieがその意味を理解し、条件に合う投稿だけを集めたフィード(タイムライン)を自動で作ってくれます。
プログラミングの知識は一切不要です。Engadgetの報道によると、Attieの開発を率いるJay Graberはこう説明しています。
「ソフトウェアを設定するというより、会話しているような感覚です。見たい投稿の種類を説明するだけで、コーディングエージェントがあなたの説明したフィードを構築します」
さらに、作ったフィードは他のユーザーと共有できます。誰かが作った「AIニュースだけ集めるフィード」が気に入ったら、そのままコピーして自分用にカスタマイズすることも可能です。将来的には、フィードだけでなく「ソーシャルアプリそのもの」をAIと会話しながら作れるようにする構想もあるとのことです。
BlueskyアプリとAttieは何が違うのか
重要な点として、AttieはBlueskyアプリの新機能ではなく、まったく別のアプリです。
ただし、Blueskyと同じアカウントでログインできます。これはBlueskyが採用している「AT Protocol」というオープンな通信規格のおかげです。AT Protocolに対応しているアプリ同士は、同じアカウント・同じデータを共有できる仕組みになっています。
イメージとしては、Gmailのアカウントで別のメールアプリにもログインできるのと似ています。Attieで作ったフィードは、いずれBlueskyアプリや他のAT Protocol対応アプリでも利用できるようになる予定です。
裏側で動いているのはAnthropicの「Claude」
Attieの頭脳となっているのは、Anthropic社が開発するAI「Claude」です。AnthropicはChatGPTを作ったOpenAIの元メンバーが設立した企業で、Claudeは日本でも利用者が増えているAIサービスです。
仕組みはこうです。ユーザーが「こんな投稿を集めて」と自然言語で入力すると、Claudeがその意味を解釈し、フィードの条件を定義するコードを自動生成します。ユーザーはコードを見る必要はなく、結果として出来上がったフィードを使うだけです。
Blueskyの暫定CEOであるToni Schneiderは、Gizmodoの取材に対し、「Jay(Graber)率いる新チームによる最初のスタンドアロン製品だ」と述べています。
いつ使えるのか
現時点では招待制のベータ版です。最初のテスターはAtmosphereカンファレンスの参加者に限られています。
一般の方は、attie.ai でウェイトリストに登録できます。一般公開は「数週間以内」とされていますが、具体的な日程は未定です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年3月28日 |
| 現在の状況 | 招待制ベータ |
| 一般公開 | 数週間以内(具体的日程は未定) |
| ウェイトリスト | attie.ai で登録受付中 |
| 利用条件 | Blueskyアカウントが必要 |
XのGrok、MetaのAIとどう違うのか
X(旧Twitter)にはイーロン・マスクが推進するAI「Grok」が、InstagramやFacebookにはMetaのAI機能がそれぞれ組み込まれています。では、AttieのAIは何が違うのでしょうか。
核心的な違いは、「誰がアルゴリズムを握っているか」です。
| 比較項目 | Attie(Bluesky) | Grok(X) | Meta AI |
|---|---|---|---|
| タイムラインの決め方 | ユーザーが自然言語で定義 | X社が設計 (中身は非公開) | Meta社が設計 (中身は非公開) |
| AIの目的 | ユーザーが 見たいものを見る | 滞在時間を 伸ばす | 広告の効果を 上げる |
| フィードの透明性 | オープン (共有・改変可能) | 非公開 | 非公開 |
| 使用AIモデル | Anthropic Claude | xAI Grok | Meta Llama系 |
| 通信規格 | AT Protocol (オープン) | 独自 (非公開) | 独自 (非公開) |
Ubergizmoは「Grokのライバル」と表現していますが、そもそもの設計思想が異なります。GrokやMeta AIは「プラットフォームが選んだ投稿をユーザーに見せる」ためのAIです。一方、Attieは「ユーザーが自分で選んだ条件の投稿を見る」ためのAIです。
なぜ今AIアプリを出したのか
Attieの発表には、Bluesky内部の大きな組織変更が関係しています。
2026年3月9日、Blueskyの創業者であるJay GraberがCEOを退任し、Chief Innovation Officer(CIO、最高イノベーション責任者)に就任しました。後任のCEOには、WordPress運営元Automatticの前CEOであるToni Schneiderが暫定で着任しています。Bluesky公式ブログがこの人事を発表しています。
つまり、Jay GraberはCEO業から離れ、Attieのような新製品の開発に集中する体制になったということです。Attieは「Jay Graberの新チームによる最初の成果物」と位置付けられています。
また、Blueskyは1億ドル(約150億円)の追加資金調達も発表しており、ユーザー数は4,340万人に達しています。AI機能を武器に、XやThreadsとの差別化を図る狙いが見えます。
「AIはプラットフォームではなくユーザーに奉仕すべき」
Jay Graberは自身のBluesky投稿で、Attieの設計思想をこう語っています。
「AIは人々に奉仕すべきであり、プラットフォームにではない。オープンプロトコルがこの力をユーザーの手に直接渡す」
SNSにAIが入ること自体は、もう止められない流れです。XにもGrokが、InstagramにもMeta AIが入りました。問題は「そのAIが誰のために働くか」です。
多くのSNSでは、AIはプラットフォーム企業の利益のために動いています。あなたの滞在時間を伸ばし、広告をより多く見せるためにタイムラインを操作しています。その仕組みはブラックボックスで、ユーザーが中身を知ることはできません。
Attieが掲げているのは、その逆のアプローチです。ユーザーが自分の言葉でAIに指示を出し、自分が見たいものだけを見る。フィードの仕組みはオープンで、誰でも中身を確認できる。
もちろん、まだ招待制ベータの段階であり、4,340万人というユーザー数もXの数億人には遠く及びません。Attieの思想が大きなうねりになるかどうかは、これからの話です。ただ、「SNSのAIは誰のものか」という問いに対して、Blueskyがひとつの答えを出したことは確かです。
参照元
- ▸ TechCrunch - Bluesky leans into AI with Attie, an app for building custom feeds(2026年3月28日)
- ▸ Engadget - Bluesky's next product is an AI assistant that helps build custom social media feeds(2026年3月28日)
- ▸ Gizmodo - Bluesky Has a New App, and It's All About AI(2026年3月28日)
- ▸ Ubergizmo - Bluesky Debuts Attie, An AI Assistant To Rival Grok(2026年3月29日)
- ▸ Bluesky公式ブログ - A New Chapter for Bluesky(2026年3月9日)
- ▸ Jay Graber - Bluesky投稿(Attie発表)(2026年3月28日)
- ▸ CNBC - Bluesky CEO transition(2026年3月9日)