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【速報】Epic Games、1000人超を解雇。Fortnite失速で5億ドル削減へ

Fortniteの開発元Epic Gamesが全従業員の約20%にあたる1000人超を解雇。プレイ時間24%減を受け5億ドル超のコスト削減を実施。CEO発言に批判も集中している。

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Backend Engineer / AWS / Django

2026.03.276 min6 views

Fortniteの会社が全従業員の2割を切った

Epic Games(Fortnite、Unreal Engineの開発元)が2026年3月24日、1,000人超の従業員を解雇したと発表しました。全従業員の約20%にあたります。同時に、契約の見直し・マーケティング費用の削減・採用凍結を含む5億ドル(約750億円)超のコスト削減も実施します。

CEO Tim Sweeneyは公式声明でこう述べています。

「我々は収入を大幅に上回る支出をしており、会社の資金を維持するために大規模な削減を行わなければならない」

Epic Gamesは2023年9月にも約830人(当時の16%)を解雇しており、3年間で合計約1,830人を失ったことになります。削減後の従業員数は約4,000人です。

Fortniteで何が起きているのか

Fortniteは2017年のリリース以来、世界で最も人気のあるオンラインゲームのひとつでした。2018年には年間54億ドル(約8,100億円)を売り上げ、社会現象にもなりました。しかし、ここ1年でプレイヤーの離脱が目立ち始めています。

指標2025年2月2026年2月変化
PlayStation
月間プレイ時間
21時間16時間-24%
Xbox
月間プレイ時間
19時間15時間-21%
月間アクティブ
プレイヤー数
2023年比で28%減少
平均月間
プレイ時間
2023年の29時間→
2025年の15.4時間(約47%減)

Sweeneyは声明で「多くのFortniteモードを作ったが、一部のケースでは十分に魅力的なものを構築できず、大規模なプレイヤーベースを獲得・維持できなかった」と認めています。子ども向けのゲームプラットフォームRobloxが平均プレイ時間とデイリー訪問数でFortniteを初めて上回ったことも、競争の厳しさを物語っています。

Epic Games全体の2025年の総収益は60億ドル超と推定されています。売上がゼロではない。それでも「収入以上に使っている」状態だったということです。

どの部門が影響を受けたのか

米ノースカロライナ州Caryの本社では211人以上が対象となり、アーティスト・エンジニア・プログラマー・デザイナーが含まれています。ワシントン州Bellevueのオフィスでは82人が解雇されました。安全システム、キャラクターデザイン、パートナーシップチームなど、部門は広範囲に及んでいます。

人員削減と同時に、3つのFortniteゲームモードの廃止も発表されました。

ゲームモード内容廃止時期
BallisticタクティカルFPS2026年4月16日
Festival Battle Stage音楽バトル2026年4月16日
Rocket Racingレースゲーム2026年10月

退職パッケージとしては、最低4か月分の基本給、米国内では6か月間の健康保険継続、2027年1月までのストックオプションのベスティング加速、最大2年間の株式行使期間延長が提示されています。

CEO「一生に一度の品質の人材」発言への批判

解雇発表の翌日、SweeneyはX(旧Twitter)にこう投稿しました。

「今後数日で、雇用主は"一生に一度の品質の人材"の履歴書の流れを目にするだろう。Epicは成長の過程で採用基準を下げたことはなく、今回のレイオフはパフォーマンスに基づく"適正化"ではない」

この発言は「空気が読めない」として激しい批判を受けました。1,000人超を解雇した直後に「一生に一度の品質の人材」と称賛する姿勢が、解雇された従業員への共感を欠いていると映ったためです。

PC GamerWCCFTechなど複数のメディアが批判の声を報じ、一部からはCEO辞任を求める声も上がっています。「年間数十億ドルを稼ぐ企業のトップの発言としては、業界の現実と乖離している」という指摘が多数ありました。

Disney 15億ドルのパートナーシップはどうなるのか

2023年、Disney(ディズニー)はEpic Gamesに15億ドル(約2,250億円)を投資して約9%の株式を取得し、Fortnite内にDisneyのキャラクターが活躍するユニバースを構築する計画を発表していました。

今回の大規模解雇にもかかわらず、Epic Games社長Adam Sussmanは「Disneyとのゲーム・エンタメユニバースの構築にコミットしている」と表明しています。Disney側もFortnite内のユニバース構築計画を放棄していないことを確認しています。2,250億円が動いているだけに、簡単にはやめられないということでしょう。

ゲーム業界全体で何が起きているのか

Epic Gamesの問題は、ゲーム業界全体が直面している構造的な課題の一部です。

業界トラッカーによると、2022年から2025年7月までに推定45,000人がゲーム業界で職を失いました。GDC 2026の調査では、米国のゲーム業界労働者の3人に1人が過去2年間にレイオフを経験していると回答しています。

Sweeneyは声明で業界の逆風として「成長の鈍化、消費の低迷、コスト構造の悪化、現世代コンソールの販売台数が前世代を下回っていること、ゲームがSNSや他のエンタメと可処分時間を奪い合っていること」を挙げました。

2026年に入ってからもレイオフは続いています。Cloudhead Games(70%削減)、Ubisoft Halifax(71人)、MetaのVRスタジオ3社閉鎖、Playtika(500人/15%削減)。ゲームを作るのにかかるコストは年々上がり、ヒットの予測はますます難しくなっています。

なお、Sweeneyは今回のレイオフについて「AIとは無関係」と明言しています。

今後どうなるのか

Epic Gamesは、Fortniteの季節コンテンツ・ゲームプレイ・ストーリー・ライブイベントの構築を引き続き行う方針です。また、Unreal Engine 5からUnreal Engine 6への進化を加速させるとも表明しています。

Ampere AnalysisのリサーチディレクターPiers Harding-Rollsは「規模や成功を問わず、全ての企業がコスト管理との戦いにある。これは今後さらに厳しくなる」とコメントしています。

60億ドル(約9,000億円)を売り上げている企業が「赤字だ」と言って2割の人員を切る。ゲーム業界に限った話ではなく、ライブサービスやサブスクリプションモデルに依存するテック企業全体に共通する危うさが、ここに見えています。Fortniteのような巨大タイトルでもユーザーの関心は永遠ではない。次の「何か」を作り続けなければ、どんなに大きな会社でも縮んでいく。

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