
Search Console「生成AI機能」レポート(ベータ版)で、自分のブログの何が分かったか
Search Console に増えた「生成AI機能」レポート(ベータ版)を、約830記事の個人ブログの実データで読み解いた。3か月の AI 表示は通常検索の0.55%、引かれたのは120ページ。検索で伸びた記事と AI に引かれる記事は別物で、ニュース記事は公開当日から出典になる一方、クリックもクエリも見えない。
目次
Search Console に増えた「生成AI機能」レポート(ベータ版)を、約830記事の個人ブログの実データで読み解いた。3か月の AI 表示は通常検索の0.55%、引かれたのは120ページ。検索で伸びた記事と AI に引かれる記事は別物で、ニュース記事は公開当日から出典になる一方、クリックもクエリも見えない。
Google Search Console を開いたら、検索パフォーマンスの下に「生成 AI」という項目が増えていました。2026年6月に Google が出した「検索の生成 AI 機能のパフォーマンス レポート」で、まだベータ版、しかも一部のサイトにしか開放されていません。解説記事はいくつも出ていますが、「自分のサイトで実際に何が読めるのか」を数字で書いたものは見当たらなかったので、このブログのデータで確かめました。
私の環境と、取ったデータ
- ・対象サイト: このブログ(kkm-mako.com)。日本語と英語を合わせて約830本の記事がある個人ブログ
- ・Search Console のプロパティ: ドメインプロパティ(サブドメインや http/https をまとめて1つに数える登録方法)
- ・期間: 2026年6月2日〜9月1日の3か月。取得日は2026年9月4日
- ・比較相手: 同じ期間の通常の「検索結果」レポート(検索タイプ: ウェブ)
- ・取り方: 画面の表を1ページ500行に広げて読み取った。エクスポート機能もあるが、期間を細かく切り替えながら見たかったので画面から取った
なお、取得中に合計が 1,406 から 1,410 に変わりました。レポートは1日に何度か更新されるようで、本文の数字は最初に取った 1,406 で統一しています。
生成 AI 機能レポートとは何か
Google 検索には、検索結果の上に AI が答えをまとめて出す「AI による概要(AI Overviews)」と、会話のように調べられる「AI モード」があります。どちらも答えの中や横に出典サイトへのリンクを載せます。このレポートは、そのリンクとして自分のサイトが表示された回数を数えるものです。画面の説明文にも「Google 検索の生成 AI 機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数」とあります。

これまでも AI 経由の表示は通常の検索パフォーマンスの数字に混ざって入っていました。それを AI のぶんだけ切り出して見せてくれる、というのがこのレポートの位置づけです。見られる項目と見られない項目をまとめると次のとおりです。
| 項目 | 生成 AI レポート | 通常の検索結果レポート |
|---|---|---|
| 表示回数 | 見られる | 見られる |
| クリック数・CTR | ない | 見られる |
| 掲載順位 | ない | 見られる |
| 検索クエリ(どんな言葉で出たか) | ない | 見られる |
| 内訳 | ページ・国・デバイス・日 | クエリ・ページ・国・デバイス・検索での見え方・日 |
| 期間 | 24時間(1時間ごと)〜カスタム期間 | 同じ |
| フィルタ | ページ・国・デバイス | クエリ・ページ・国・デバイス・検索での見え方 |
| AI による概要と AI モードの区別 | ない(合算) | 対象外 |
期間を16か月に広げてみると、2026年5月18日より前は完全に空でした。集計そのものが5月中旬から始まっていて、それ以前の AI 表示はさかのぼれません。5月18日以降の累計は 1,440 回です。

24時間表示にすると1時間ごとの折れ線になります。個人ブログの規模だと1日十数回なので、時間帯の傾向を読めるほどの量ではありませんが、通常の検索と同じ細かさで見られること自体は確認できました。

通常の検索と比べる。全体の 0.55%
3か月の合計は、生成 AI 機能での表示が 1,406 回。同じ期間の通常の検索結果は表示 254,940 回、クリック 9,280 回でした。AI 側は通常の表示回数の 0.55% にあたります。月ごとに割ると、AI の割合はむしろ下がっていました。
| 月 | 生成 AI 表示 | 通常検索 表示 | 通常検索 クリック | AI ÷ 通常 |
|---|---|---|---|---|
| 6月(2日〜) | 688 | 58,950 | 1,789 | 1.17% |
| 7月 | 387 | 70,656 | 2,235 | 0.55% |
| 8月 | 313 | 121,754 | 5,153 | 0.26% |
| 3か月合計 | 1,406 | 254,940 | 9,280 | 0.55% |
8月は通常検索の表示が倍増しているのに、AI 側は減っています。後で見るように、8月の通常検索の伸びは公開直後にニュースとして読まれた記事が作ったもので、そちらは AI にほとんど拾われませんでした。「検索で伸びた記事」と「AI に引用される記事」が同じではない、というのがこの3か月のいちばん大きな発見です。
デバイスと国の内訳は、通常検索とそれほど変わりませんでした。AI 側はモバイル 754、PC 617、タブレット 35 で、モバイルが 54%。通常検索はモバイル 127,743、PC 124,881 でほぼ半々です。国は AI 側の 88% が日本(1,239 回)で、次がインド 33、米国 29。通常検索は日本が 81%、米国が 10.5%(26,784 回)を占めるので、英語記事は通常検索では米国から見られているのに、AI の引用にはほとんど出ていないことになります。
どの記事が引用されたか
3か月で AI に1回以上表示されたページは 120 件。約830本の記事のうち 14% です。上位10件を、同じページの通常検索の数字と並べました。「AI ÷ 通常」は、そのページの通常検索の表示回数に対して AI 表示が何%かです。

| ページ | AI 表示 | 通常 表示 | 通常 クリック | AI ÷ 通常 |
|---|---|---|---|---|
| チャレンジタッチが繋がらないときの対処(進研ゼミのタブレット) | 437 | 67,403 | 1,494 | 0.65% |
| サイバー攻撃が倉庫と冷凍食品の流れを止めた | 99 | 4,387 | 127 | 2.26% |
| Markdown Preview Enhanced の脆弱性まとめ | 96 | 1,976 | 221 | 4.86% |
| ワンダーグー・新星堂のシステム障害(ランサムウェア) | 81 | 22,383 | 2,418 | 0.36% |
| PSN 障害とは?今すぐ確認する方法 | 78 | 3,944 | 28 | 1.98% |
| ケンタッキー全店で品切れ・休業のおそれ(ニチレイの不正アクセス) | 51 | 8,180 | 73 | 0.62% |
| DeerFlow 2.0 Review(英語記事) | 47 | 6,722 | 21 | 0.70% |
| Anthropic(Claude)のインボイス番号と消費税 | 46 | 12,921 | 197 | 0.36% |
| IBM 製品に未認証で乗っ取られる欠陥 | 32 | 1,745 | 89 | 1.83% |
| トップページ | 31 | 169 | 9 | 18.3% |
1位のチャレンジタッチの記事だけで 437 回、全体の 31% を占めます。子ども用の学習タブレットが繋がらないときの対処を書いた記事で、通常検索でもこのブログで最も表示されているページです。ただし通常検索に対する AI の割合は 0.65% と、全体平均に近い値でした。
目を引くのは割合のばらつきです。Markdown Preview Enhanced(VS Code の拡張機能)の脆弱性まとめは通常検索 1,976 回に対して AI 96 回で 4.86%。上位10件の外にも、Wagtail(Python 製の CMS)の入門記事が 226 回に対して 22 回で 9.7%、英語の IINA(Mac の動画プレーヤー)の脆弱性記事が 332 回に対して 26 回で 7.8% と、通常検索では小さい技術記事ほど AI での割合が高い傾向がありました。逆に、この3か月で最もクリックされたワンダーグー・新星堂の障害記事(2,418 クリック)は 0.36%、X のチャット機能の記事は通常検索 21,326 回に対して AI 16 回、0.08% しかありません。
もうひとつ意外だったのがトップページです。通常検索では 169 回しか表示されていないのに、AI では 31 回。割合にして 18% で、120 ページの中で最も高い値でした。記事ではなくサイトそのものが出典として引かれているようですが、どんな質問に対してかは、クエリが見られないので分かりません。
いつ引用されたか。3つの山の正体
日別に並べると、AI 側の表示は1日あたり中央値 10 回で、そこに3つの山が乗っています。6月下旬、7月15日、8月25日です。通常検索の山は8月14日と8月25日で、上下に並べると位置が一致しません。

レポートは期間をカスタムで絞れるので、山ごとにページ別の内訳を見ました。
| 期間 | AI 表示 合計 | 中身 |
|---|---|---|
| 6月21日〜27日 | 400 | チャレンジタッチ 270、PSN 障害 63。3月に公開した古い記事が、この1週間だけ集中して引かれた |
| 7月14日〜18日 | 179 | 物流のサイバー攻撃 88(7月14日公開)、ケンタッキー品切れ 39(7月15日公開)、Markdown Preview Enhanced 26。公開したその日から引かれている |
| 8月25日 | 34 | チャレンジタッチ 25。同じ日に通常検索も 47,305 回の山 |

7月の山は分かりやすい例でした。7月14日に物流会社へのサイバー攻撃の記事を、15日にケンタッキーの品切れの記事を出したところ、公開当日から AI の出典として表示されています。ニュース性のある記事は、検索の掲載順位が付くのを待たずに AI に拾われるようです。
一方で、通常検索の8月14日前後の山は、8月13日に公開したワンダーグー・新星堂の障害記事が作ったものです。8月13日から16日のクリックは1日 446〜717 回に達しましたが、同じ4日間の AI 側はサイト全体で1日 4〜7 回しかありません。同じ「公開直後のニュース記事」なのに、7月の2本は AI に引かれ、8月のこの1本はほぼ引かれなかった。理由はレポートからは分かりません。AI による概要が出る検索語だったかどうか、という検索側の事情が大きいと思いますが、クエリが見えない以上、推測の域を出ません。
6月下旬の山も説明がつきません。チャレンジタッチの記事は3月に公開したもので、6月21日から27日に特別な更新はしていません。それでも1週間で 270 回引かれ、翌週には十数回に戻りました。Google 側で AI による概要の出し方が変わったのか、この時期に特定の質問が増えたのか。ここも、本来なら検索クエリを見れば見当がつくはずのところが、このレポートには無い項目です。
数字を読むときの注意
ページ別の表の数字を全部足すと 1,425 で、合計の 1,406 より少し多くなります。通常の検索パフォーマンスと同じで、合計はサイト単位で数え、ページ別はページ単位で数えるため、1つの検索で複数ページが出ると差が出ます。個人ブログの規模では誤差の範囲でしたが、大きなサイトでは無視できない差になるはずです。
もう1つ、通常検索側との比較で気をつける点があります。通常の検索結果レポートのページ別一覧には、記事の途中の見出しへ直接飛ぶリンク(URL の末尾に「#見出し名」が付いたもの)が別の行として並びます。このブログでは上位1,000行のうち 363 行がそれでした。チャレンジタッチの記事は、記事本体の URL だけで 67,403 回ですが、見出しへのリンクを足すと 253,290 回になります。生成 AI レポートのページ別一覧には、この「#付き」の行が1つもありませんでした。AI の出典リンクは記事本体の URL で数えられているようなので、本文の表では通常検索側も記事本体の URL の数字だけを使っています。
分かったこと、分からないこと
このレポートで分かったのは次の3つです。
- ・AI 経由の表示は通常検索の 0.55%。しかも通常検索が伸びた8月に割合は下がった。「AI に引かれる記事」と「検索で伸びる記事」は別物として見たほうがいい
- ・約830本のうち AI に出たのは 120 本。技術系の小さな記事や、サイトのトップページが、通常検索での大きさに比べて高い割合で引かれている
- ・ニュース記事は公開当日から AI の出典になりうる。ただし、なる記事とならない記事があり、その違いはこのレポートからは読めない
分からないことのほうが多いのも事実です。クリックが無いので、AI に引かれた結果として人が来たのかは分かりません。Google アナリティクス側でも、AI による概要からのクリックは通常の Google 検索の流入に混ざるので切り分けられません。検索クエリが無いので、どんな質問の答えとして引かれたのかも分かりません。AI による概要と AI モードのどちらで出たのかも区別されません。
なので現状の使い方は、月に1回「通常検索の表示に対する AI の割合」と「AI に出たページの数」を控えておく、というところに落ち着きます。割合が増えていくのにクリックが減る、という組み合わせが見えたら、それが「AI が答えをまとめて終わっていて、サイトまで来ていない」の合図になります。Google はこのレポートに指標を追加していくと言っているので、クリックやクエリが入った時点で、もう一度同じ比較をするつもりです。
参照元

堀川 慎
Backend Engineer / AWS / Django / Go