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チャレンジタッチが繋がらない・使えないときの対処記事のカバー画像。Wi-Fiルーターの写真(Syced 撮影・CC0)に字幕帯を追加

チャレンジタッチが繋がらない・使えないときの対処|エラーコード一覧、初期化とリセットの違い

チャレンジタッチがつながらない、エラーが消えない、画面が反応しないときの対処をまとめました。症状から引ける早見表とエラーコード一覧つき。リセットと初期化で消えるものの違い、オフライン学習「いつでもタッチ」が2026年3月24日に終了していたこと、毎月25日に再発する仕組みも整理しています。

まとめ2026年3月25日公開最終更新 2026年8月27日
目次
この記事のポイント

チャレンジタッチがつながらない、エラーが消えない、画面が反応しないときの対処をまとめました。症状から引ける早見表とエラーコード一覧つき。リセットと初期化で消えるものの違い、オフライン学習「いつでもタッチ」が2026年3月24日に終了していたこと、毎月25日に再発する仕組みも整理しています。

お子さんのタブレットに「予期しないエラーが発生しました」「ウェブページにアクセスできません」と出た、白い画面のまま進まない、ペンが反応しない——という状態で開いたかたへ。まず、下の表で自分の症状の行を見てください。多くの場合、そこに書いてあることだけで終わります。

いま出ている症状まずやること
今日が25日前後で、エラーや「回線が混み合っております」が出るタブレットを閉じて夕方〜夜まで待つ。故障ではありません
EF-/EB-/WB- で始まるコードが出ている同じく待つ。ベネッセ側の混雑です
白い画面のまま/ロードが終わらないルーターとタブレットを決まった順番で入れ直す(公式手順
画面が反応しない/ペンで書けないペンを使わず直接ふれて反応するか見る(切り分け
TE- で始まるコードが出ている画面を写真に撮ってサポートへ。初期化はしない

「進研ゼミ小学講座」のチャレンジタッチは、2026年3月25日の10年ぶりのリニューアル初日に大規模なつながらない障害を起こしました。その障害自体は3月27日に解消していますが、同じ症状はその後も配信日のたびに形を変えて出ています。直近では9月号配信日の2026年8月25日の夜にも、〈進研ゼミ〉と関連サイトがつながりづらくなるシステム障害が起き、翌26日未明に解消しました。この記事では、画面に出ているものから原因を見分ける方法と家でできる対処を先にまとめ、そのあとで「なぜこれが起きるのか」をソフトウェア・インフラの視点から説明します。

画面に出ているものから原因を見分ける

チャレンジタッチのなかには、ブラウザにあたる「チャレンジウェブ」という仕組みが入っています。ここで通信に失敗すると「ウェブページへのアクセスができません」「アクセス不可」という文言や、白い画面が出ます。「予期しないエラーが発生しました」も、文言は違っても原因の大半は同じ通信の失敗です。「予期しない」という言葉に驚きますが、タブレットが壊れたという意味ではまずありません

原因は大きく2つに分かれます。ベネッセ側のアクセス集中か、家のWi-Fi・回線の一時的な不調か。切り分けは簡単で、同じWi-FiにつないだスマホでふつうにWebサイトが開けるかを見ます。スマホは問題ないのにチャレンジタッチだけ繋がらないなら、家の回線ではなくベネッセ側が疑わしい、という見立てです。

エラーコードが一緒に出ているなら、もっと早く絞り込めます。先頭の2〜3文字で、原因がどこにあるかが決まります

エラーコードの先頭がEF-/EB-/WB-ならサービス側、BE-なら家のルーター、TE-なら手もとの端末に原因が分かれる図
エラーコードの先頭で原因の場所が分かれる
先頭の文字原因の傾向タブレットの故障?
EF- / EB- / WB-ベネッセ側のサーバーや通信に関わるエラー。
配信日の混雑、講座の設定日ずれ、
ネットの遅さなど
まず違います
BE-タブレットとインターネットの間の通信エラー。
ルーターの再起動や時間帯変更で
改善することが多いタイプ
まず違います
TE-タブレット本体側のエラー。
起動時の不具合、登録内容のずれ、
周辺機器の問題など
サポート相談が必要な
ものが混ざります

よく目にするコードと、家でできることの対応表

エラーコード何が起きているか家でできること自力で直せる?
EF-SH-C9999-0005アクセス集中による通信タイムアウト。
「ウェブページへのアクセスができません」
と一緒に出やすい。配信日の混雑が典型
夕方〜夜まで時間を空ける。
再起動も併用
時間を空ければ直る
(待つだけ)
EF-SH-C9999-0002システムエラー。混雑時に
0005とあわせて報告される
同系統のエラー
時間を空ける。
再起動も併用
時間を空ければ直る
ことが多い
EF-SH-C9999-0003講座を変更したあと、
開始日より前に設定しようと
したときに出る
受講開始月の前月25日以降に
もう一度初回設定をやり直す
25日以降の設定で
直る
EB-00-11000-0000講座開始日より前に
初回設定をしようと
したときに出る
前月の25日以降に
初回設定を始める
25日以降の設定で
直る
TE51-3KUC-6023
TE01-E1x2-D002
通信遅延・アクセス集中
(TE系のなかでも
ネットワーク寄りのもの)
Wi-Fiルーターの電源入れ直し、
時間帯を変えて再起動
回線・時間帯の
見直しで直ることが多い
BE01-01-C00-07
TE01-A1RJ-D00C
タブレットとインターネットの
間の通信遅延。
家のWi-Fi側のことが多い
ルーターの電源入れ直し、
タブレット再起動、
Wi-Fi切り替え
回線の見直しで
直ることが多い
TE01-38b1-H001
(末尾 X899 系統)
マイク・カメラなど
周辺機器との接続エラー
マイクの抜き挿し、
外付け機器を外す、
タブレット再起動
差し直しで直ることが多い。
直らなければサポートへ
TE51-D103-2003久しぶりに起動したときの
起動時エラー。本体側で
なにかが引っかかっている
無理に初期化せず、
まずサポートへ
サポート案件
(自力対処は非推奨)
TE01-0202-2001
TE51-3JUF-6023
登録内容のエラー。
会員情報や端末の
紐付けに関わる部分
触らずに
画面を写真に残しておく
サポート案件
(自力対処は非推奨)

この表はベネッセ公式FAQに記載のあるコードを中心に整理したものです。コードの末尾や枝番(X899やC9999のあとの4桁)はバリエーションが多く、同じ系統でも番号違いが出ます。番号がぴったり一致しなくても、先頭の文字と近い系統を見れば当たりはつけられます。

いちばん多く報告されているのは EF-SH-C9999-0005(通信タイムアウト)と EF-SH-C9999-0002(システムエラー)です。「C9999」は「あらかじめ想定された原因ではない、混み合いによる一時的なエラー」のニュアンスで、タブレット側の操作で根本解決する種類ではありません。EF-SH-C9999-0003EB-00-11000-0000 は性質が違い、講座のスタート日より前に設定しようとしたときに出ます。進研ゼミは前月25日が学習スタート日なので、25日以降に設定し直せば消えるのが基本動作です。25日を過ぎても消えないなら、講座変更の手続きが反映されていない可能性があります。

末尾が X899 のコードは、公式FAQではマイク・カメラなど周辺機器の接続エラーとして案内されています。差し直しと再起動でだいたい収まります。一方 TE51-D103-2003(久しぶりの起動時)、TE01-0202-2001TE51-3JUF-6023(登録内容)は、家でできることがほとんどありません。再起動を繰り返したり初期化したりせず、画面を写真に撮ってサポートに連絡するのがいちばん早い種類です。

繋がらないときにやること

ベネッセが「障害」と認定していない日でも、配信日の混雑は実際に起きています。その前提で、効果が高い順に並べると次のようになります。

1. しばらく時間を空ける(一番効きます)

混雑の山が来る時間帯は、回によって違います。3月25日の初日障害は公式情報では午前中がピークでしたが、8月25日の障害は夜19時頃から翌2時頃でした。つまり「夕方まで待てば安全」という単純な話ではなく、いま混んでいる時間帯から数時間ずらすのが本質です。朝や昼にエラーを引いたなら夜に、夜に引いたなら翌朝に、一度タブレットを閉じて開き直すのが現実的にいちばん効きます。子どもには「明日の朝には新しい教材が届いているはずだよ」と先に伝えておくと、エラー画面を見つめ続けるストレスを避けられます。

2. ルーターとタブレットを、決まった順番で入れ直す

白い画面のまま進まない症状について、ベネッセは2026年6月17日に順番まで指定した手順を出しています。ただ電源を入れ直すのではなく、ルーターを切ったままタブレットを再起動し、Wi-Fiの一覧を開いた状態でルーターの電源を戻すという順番です。

ベネッセ ヘルプデスクが2026年6月17日に掲載したWi-Fi再接続手順のスクリーンショット
ベネッセ ヘルプデスク(2026年6月17日)。赤枠と注釈は本記事による

この手順で効かないときのために、公式は「ルーターの機種によっては30分以上電源を切らないと改善しない場合もある」とも書いています。10秒待って入れ直しただけで諦めていた人は、もう一度、長めに切ってから試す価値があります。

3. 「IDの再登録」は最後の手段(サポートに相談してから)

SNSでは「IDを登録し直したら直った」という声もありますが、これは学習履歴やためたコインに影響するかもしれない操作です。必ずサポートに相談してから実施してください。ただし後述のとおり、サポート電話がつながりにくい状況が続いています。電話が無理ならフォーム経由の問い合わせで記録を残しておくのが現実的です。

初期化する前に。リセットと初期化は別のものです

繋がらない状態が続くと「いっそ初期化してしまおうか」と考えたくなります。ただ、手元でできる操作には浅いものから深いものまであり、初期化はいちばん深い最後の手です。順番を飛ばさないでください

時間を空ける・再起動・リセット・初期化の4段を階段で表し、右へ行くほど踏み込みが深くなることを示した図。いちばん深い初期化だけが赤で描かれている
浅いほうから順に試す。初期化はいちばん最後

リセットは初期化ではありません。音量ボタンの横などにある「RESET」の穴をクリップの先で押す操作で、公式FAQには「RESETボタンを押しても、学習データ等が消えることはありません」と明記されています。固まって操作できないときの最初の一手はこちらです。

公式FAQのSTEP4。RESETボタンを押しても学習データ等が消えることはないと明記されている
進研ゼミ小学講座 公式FAQより。赤枠と注釈は本記事による

一方の初期化は、お届けしたときの状態に戻す操作です。ただしこちらも「全部消える」わけではありません。公式の案内では、消えるものと残るものがこう分かれています。

初期化しても残るもの初期化で消えるもの
「AI国語算数トレーニング」と前年度までの「教室」の学習履歴
努力賞ポイント
「図鑑カードコレクション」のデータ(3〜6年生)
いずれもサーバーに保存されているため、初期設定後に引き継がれます
「編集室からのメール」以外のメールデータ
写真
動画
操作できる状態なら事前にmicroSDへコピーできますが、コピーしたものはタブレットへ戻せません

つまり、初期化で失われるのは主に思い出のほうです。学習の記録は戻ってきます。とはいえ、混雑が原因のエラーに初期化は効きません。サーバー側が混んでいるのに手元を作り直しても、次の日にまた同じ画面が出るだけです。初期化を考えるのは、リセットも再起動もWi-Fi再設定も試したあとで十分です。

画面が反応しない、ペンで書けない、充電できない

通信とは別に、手元の機械そのものが疑わしいときがあります。ここでの分かれ道はひとつだけです。ペンを使わず、画面に直接ふれてみる

ペンを使わず画面に直接ふれて反応すればペン側、反応しなければ本体側と切り分けるフロー図
反応しないとき、ペンか本体かはこれで分かれる

直接ふれて反応するなら、本体ではなくペンの側が原因です。反応しないなら本体側を順番に見ていきます。公式が案内している確認は次のとおりです。

  • 充電:専用ACアダプターを奥までしっかり差す。市販のアダプターは使えません。充電ランプは充電中だけ点灯し、終わると消灯します(電源が入って画面が出ている状態では、つないでも点灯しません)
  • 再起動:電源ボタンを長押しして強制的に切り、もう一度入れる
  • リセット:「RESET」の穴をクリップの先で軽く押す。学習データは消えません
  • Wi-Fiの再接続:前の章の順番で入れ直す
  • 保護フィルムをはがす:貼っているとタッチの反応が非常ににぶくなることがあると公式が明言しています。ベネッセは「保護フィルムは貼らずにご利用ください」と案内しています

最後の保護フィルムは見落とされやすいところです。反応が悪いのを故障だと思って買い替えを考える前に、一度はがして試してみてください。

それでも直らない場合、タブレットには1年間の保証があり、自然故障なら無償で交換されます。無償期間外か、期間内でも自己破損の場合は購入扱いになり、チャレンジパッドNextが39,800円、チャレンジパッド3が19,800円、第6世代が19,980円(いずれも税込)です。入会時に「サポートサービス」に加入していれば3,300円になります。

オフラインではできなくなった。「いつでもタッチ」はどこへ行ったのか

いま「チャレンジタッチ いつでもタッチ なくなった」で検索している人がかなりいます。ベネッセ自身のヘルプデスクも、よく検索されるキーワードとして「いつでもタッチ」を表示し続けています。

「いつでもタッチ」は、Wi-Fiがない場所でも学習できるように教材を先にダウンロードしておく機能でした。帰省先やホテルで使うためのもので、結果として「通信がうまくいかない日でも学習は進められる」という逃げ道にもなっていました。

これが2026年3月24日で終わっています。同日付で公式FAQが更新され、答えはこうなりました。

2026年3月24日公開の公式FAQ。チャレンジタッチはオフラインでは使用できないと回答されている
進研ゼミ小学講座 公式FAQ(2026年3月24日公開)。赤枠と注釈は本記事による

リニューアルの前日です。そして翌3月25日の朝、新しいシステムに全国から一斉にアクセスが集中して、あの大規模障害が起きました。

3月24日にオフラインで使える道が閉じ、翌3月25日にネット接続の入口へアクセスが集中して詰まる図
逃げ道が閉じた翌日に、残った入口が詰まった

この順番は、今回の話のなかでいちばん効いている部分だと考えています。オフラインで逃げる道を閉じたうえで、入口を1つに絞ったまま全員を同じ朝に呼び込んだ。片方だけならしのげたかもしれませんが、両方が同じ日に重なりました。いまチャレンジタッチは「インターネット接続が必要な教材」で、自宅にWi-Fi環境があることが受講の前提になっています。繋がらない日は、学習そのものが止まります。

ここから先は、なぜこれが毎月起きるのかという仕組みの話です。いま困っていることの対処だけなら、ここまでで足ります。最後の「よくある質問」だけ拾い読みしてもらっても大丈夫です。

なぜ毎月25日に繋がらなくなるのか

「うちの子のタブレットが悪いんじゃないか」と感じている保護者のかたも多いと思うので先に書いておくと、これはタブレット側ではなく、ベネッセ側の配信のやり方そのものに原因があります

いまの進研ゼミは、来月分の教材を全会員に毎月25日いっせいに配るしくみで動いています(配信日は前月25日。たとえば9月号の配信日は8月25日)。100万人規模の小学生が25日の朝、同じデータをいっせいに受信しようとするので、受け口が詰まって後ろのほうは「ウェブページへのアクセスができません」になります。

同じ配信量でも一度に配ると上限を超え、前の晩から時間をずらして配ると上限を超えない負荷グラフの対比
配る量は同じでも、同じ瞬間に来ると上限を超える

同じ「100万人に同じデータを届ける」課題は、ほかの業界ではとっくに別のやり方で解いています。家庭用ゲーム機は、配信日が決まっていても予約しておけば前日の夜のうちにバックグラウンドでダウンロードしておいてくれます。Windowsの更新も、ユーザーが寝ているあいだに更新ファイルを落としておいて、朝には「準備完了」になっています。しかもMicrosoftは最小100台のグループに分けて数日かけて全体に届ける仕組みを持っていて、同じネットワーク内の端末どうしでファイルを融通し合う「配信の最適化」まで用意しています。企業の環境ではサーバーへのリクエストを30〜70%減らせるとされています。

もうひとつは「弾かずに並ばせる」やり方です。「ただいま混み合っています」と表示して追い返すのではなく、リクエストを順番待ちの行列に入れて、ユーザーには「あと3分で準備できます」と見せながら裏で同時接続数を制御する。大型ファイルの配信ではふつうに使われている考え方です。

ベネッセはお詫びとしてコイン400枚を配布するなどの対応はとっていますが、配信日そのものを分散させる対策は、いまのところ発表されていませんコインのお詫びは起きてしまった後の補償であって、来月またつながらなくなる予防にはなりません。エンジニア目線で言えば、これは「直せないから直していない」のではなく、「いまの配信設計のまま運用しているから毎月再発している」状態に見えます。

3月のリニューアルから今日までの時系列

3月24日以降、確認できている主なできごとを時系列で並べると以下のようになります。左右の矢印か、スマホならスワイプで切り替えられます。

← スワイプで移動

公式が「障害」とアナウンスしたのは、長いあいだ3月25日の初日だけでした。4月から7月は同じ症状が散発しても告知がなく、保護者の側からは「いま全国で同じことが起きているのか、それともうちのタブレットだけなのか」を公式情報で確認できない状態が続いていました。8月25日の障害では、翌26日の朝にヘルプデスクへ「不具合解消のお知らせ」が掲載されました。発生中にリアルタイムで告知が出たわけではありませんが、あとからでも公式ページで「昨夜のあれは全国で起きていた」と確認できるようになったのは変化です。

ベネッセ ヘルプデスクの「不具合解消のお知らせ」。8月25日19時頃から26日2時頃にかけてシステム障害でつながりづらくなったと記載されている
ベネッセ ヘルプデスク(2026年8月26日掲載)。赤枠と注釈は本記事による

いっぽうで、6月25日と7月25日の配信日は落ち着いていましたが、8月25日の夜に再発しました配信を同じ時刻に集中させる設計そのものは変わっていないので、条件が重なればまた起きる——という見立てが、残念ながらそのとおりになった形です。次の配信日は9月25日です。

途中で落ちる、20分ロード、サポート電話46分待ち

5月に入ってから、SNSにはこんな投稿が並びました。「レッスンをやっている途中で通信が切れてログアウト状態になる」(5月14日、チャレンジパッド第6世代の利用者)。「20分ロードしている」「固まってしまう」「エラーが頻繁すぎてつらい」(5月10〜11日)。子どもが画面に向かっている最中に通信が切れる症状は、3月25日の「最初からつながらない」とはまた違う、もう一段ストレスの大きいパターンです。途中まで進めたレッスンの記録が消えれば、子どもからすれば「もう一回やり直し」のショックがかなり大きい。

もう一つ深刻なのが、サポートの電話が繋がらないという声です。「解約の電話が繋がらない」(5月21日)、「問い合わせの電話を20分以上待っている」(5月21日)、「サポート電話で46分待っているがつながらない」(5月25日)。本来は子どもがエラーで困ったときの相談窓口ですが、解約の手続きで電話する保護者が増えており、その分だけ電話回線が埋まっている状態になっているようです。

エラーで困っている人と解約したい人が同じ電話番号に殺到する状態は、ベネッセにとって最も避けたい流れです。電話が繋がらない経験そのものが、保護者の「もうこれは無理だ」を後押しします。電話がどうしてもつながらないときは、ヘルプデスクの電話予約サービスやフォーム問い合わせで記録を残しておくのが現実的です。

外から見えるベネッセのインフラ構造

障害の中心はタブレットアプリ側のサーバーなので、外部からの調査には限界があります。ただ、ベネッセの公開Webサイトのインフラ構造を見ると、いくつかのことがわかります。

サイトCDNサーバー応答速度
(TTFB)
sho.benesse.co.jp
(小学講座)
ImpervaAzure App Gateway
+ Apache
0.17〜0.30秒
faq.benesse.co.jp
(ヘルプデスク)
なしnginx
(NTT PC直収容)
1.1〜2.0秒
czemi.benesse.ne.jp
(会員ページ)
ImpervaAzure App Gateway
+ Apache
0.32〜0.39秒

小学講座のWebサイト自体はImperva(旧Incapsula)のCDNとAzure Application Gatewayの組み合わせで、外部からのアクセスには問題なく応答しています。ところが、障害情報を掲載しているヘルプデスク(faq.benesse.co.jp)はCDNを通さずnginxサーバーに直接つながっており、応答に1〜2秒かかります。障害発生時にユーザーが殺到する場所がCDNなしというのは、やや気になる構成です。

ただし、今回の障害の本丸はWebサイトではなくタブレットアプリのバックエンドです。ここが重要なのですが、ログインや教材ダウンロードといったAPIは、CDN(よく見られる中身を世界中の拠点にコピーしておいて肩代わりさせる仕組み)では守れません。CDNが効くのはトップページの画像やCSSのような「誰がアクセスしても同じ中身を返すもの」だけです。ログイン認証はユーザーごとに結果が違いますし、教材ダウンロードも学年や受講内容によって返すデータが変わります。こうしたAPI処理はキャッシュが本質的に効かないので、リクエストの1つ1つがバックエンドのサーバーまで到達します。

つまり、100万人が同時にタブレットを開けば、100万件のAPI呼び出しがそのままサーバーに降ってくるわけです。これに耐えるには、アプリケーションサーバーを瞬時に増やせる仕組み(たとえばコンテナを自動で増減させるKubernetesのような基盤)や、データベースのリードレプリカ(読み取り専用の複製)を用意して負荷を分散する構成が求められます。

今回の障害パターン、つまり「特定の日の特定の時間帯に全ユーザーが一斉になだれ込む」負荷は、年間を通じて見れば数日しか発生しません。普段のアクセス量に合わせたサーバー構成では耐えられないし、かといってピークに合わせて常時サーバーを用意するのはコストの無駄です。だからこそ、必要なときだけサーバーを増やしてピークが過ぎたら減らす、クラウドネイティブな設計が大切になります。ベネッセの既存のWebサイトがAzure上で動いていることを考えると、バックエンドのAPI基盤もAzure上にある可能性が高い。技術的にはサーバーを増やす手段はあるはずで、問題は新システムの負荷試験が十分だったのか、あるいは自動でサーバーを増やす設定が間に合っていなかったのか、という点になります。

3月のリニューアルで何が変わったのか

2026年3月25日は、進研ゼミ小学講座の10年ぶりの大規模リニューアルの開始日でした。最初の大規模障害は、ただの「アクセス集中」ではなく、この新システムへの切り替え初日に起きています。ベネッセは主な特長として、お子さまが自ら学びたくなる「まなびクエスト」、担任制になった「赤ペン先生」のサポート、各教科3コース別のレッスンを挙げています。

報道されている中身では、「AI赤ペン先生」が目玉のひとつです。ベネッセが45年間蓄積してきた約4.2億枚の添削答案データを分析し、子どもの学力・学習状況・性格タイプに応じて365日声かけと指導を行うアバターで、月末の「赤ペン先生のまとめテスト」は従来どおり人間の赤ペン先生が対応します。学習するとゲーム的な報酬が得られるゲーミフィケーション(学習にゲームの要素を取り入れる仕組み)も東京大学の藤本徹教授の監修で導入され、保護者向けアプリも強化されました。

これだけの刷新を、子どもが自宅でタブレットを開く時間が増える春休み初日の朝にぶつけたことが、初日障害の引き金になりました。同じ構造の障害は、2026年1月のハローワーク(全面リニューアル初日に3日間停止)や全銀システム(2023年の更新時の障害)でも起きています。共通しているのは「普段の何倍ものアクセスが、特定の日の特定の時間帯に集中する」構造です。

保護者の解約と、ベネッセにとっての本当の問題

子ども向けサービスのつながらないは、一般的なWebサービスの障害よりもダメージが大きい面があります。大人なら「あとで試そう」で済みますが、子どもは「楽しみにしていたものが使えない」という体験がそのまま学習意欲の低下につながりかねません。10年ぶりのリニューアルで「ゲーミフィケーション」を売りにしているだけに、つまずきが続くのは厄介です。

ベネッセにとっての本当の問題は、つながらないが一時的に直ることではないでしょう。進研ゼミの会員数は減少傾向にあり、ベネッセはMBOによる上場廃止(経営陣による買収で株式市場から退くこと)を経て立て直しの最中です。10年ぶりの勝負をかけたリニューアルが「毎月25日につながらない」を引きずるのは、サービスへの信頼という意味で痛手です。

SNSに出ている「スマイルゼミに乗り換える」「解約する」という声は、単なる不満の表明ではなく実際のビジネス損失につながります。子ども向け通信教育は「やる気になったタイミング」を逃すと戻ってきません。新しい学年の勉強を始めようとタブレットを開いた子どもが、エラー画面を見て泣いた。その体験は保護者の解約判断に直結します。つながらないは数時間で直っても、失った信頼と乗り換えた顧客は戻ってこない可能性があります

よくある質問

「ウェブページへのアクセスができません」と出ました。タブレットの故障ですか?

多くの場合、故障ではありません。とくに25日前後にこの表示や「EF-SH-C9999-0005」が出ているなら、教材配信日のアクセス集中による一時的なつながりにくさです。同じWi-FiにつないだスマホでふつうにWebサイトが開けるなら、家の回線ではなくベネッセ側の混雑が疑わしい状態です。夕方〜夜まで時間を空けてから開き直すのが、いちばん確実な対処になります。

初期化したらどうなりますか? 学習の記録は消えますか?

学習履歴と努力賞ポイント、図鑑カードコレクションのデータはサーバーに保存されているため、初期化しても初期設定後に引き継がれます。消えるのは「編集室からのメール」以外のメールデータ、写真、動画です。事前にmicroSDカードへコピーできますが、コピーしたものはタブレットへ戻せませんので、パソコンで閲覧する形になります。なお、混雑が原因のエラーに初期化は効きません。

リセットボタンを押すとどうなりますか?

初期化とは別の操作で、公式FAQに「RESETボタンを押しても、学習データ等が消えることはありません」と明記されています。音量ボタンの横などにある小さな穴をクリップの先端で軽く押します。位置は機種によって違い、チャレンジパッド3とNextは本体上部、第6世代は本体側面です。固まって操作できないときの最初の一手として使えます。

画面が反応しません。ペンと本体、どちらが悪いのですか?

ペンを使わず、画面に直接ふれてみてください。反応するならペン側、反応しないなら本体側です。本体側の場合は、充電(専用ACアダプターのみ。市販品は使えません)、再起動、リセット、Wi-Fi再接続の順に確認します。見落としがちなのが保護フィルムで、貼っているとタッチの反応が非常ににぶくなることがあると公式が案内しています。

「いつでもタッチ」が見当たりません。オフラインではできなくなったのですか?

2026年3月24日で終了しています。同日付で公式FAQが「<チャレンジタッチ>は、インターネット接続が必要な教材のため、オフラインではご使用いただけません」に更新されました。現在は自宅にWi-Fi環境があることが受講の前提になっており、オフラインで学習を進める手段は用意されていません。

なぜ毎月25日前後だけ繋がらなくなるのですか?

進研ゼミは来月分の教材を「前月25日に全会員へいっせいに配信する」しくみで動いているためです。100万人規模が同じ朝に同じデータを取りに行くので、受け口が詰まります。タブレット側の問題ではなく、配信の設計がピークを分散していないことが原因です。ゲーム機やWindows更新のように前日夜のうちに配っておく、学年や地域で時間をずらす、といった対策で大きく緩和できる類の問題です。

退会したあと、チャレンジタッチはいつまで使えますか?

退会する場合は最終受講月号の当月24日までが利用期限です(<チャレンジ>へのスタイル変更も同じ)。受講を続けている場合は、受講した月号のコンテンツを次学年の3月24日まで使えます。チャレンジタッチ6年生は小学校卒業後の6月24日までです。赤ペンの返却答案は、退会後は最終受講月の3か月後の月の24日まで閲覧できます。

サポート電話が繋がりません。どうすればいいですか?

2026年5月以降、サポート電話がつながりにくい状況が報告されています。解約の問い合わせが増えて回線が埋まっているためとみられます。急ぎでなければ、ベネッセのヘルプデスクの電話予約サービスやフォーム問い合わせで記録を残しておくのが現実的です。エラー画面は写真に撮っておくと、後で状況を伝えるときに役立ちます。

いま起きていることを、ひとことで

3月25日の「リニューアル初日のトラブル」自体はすでに復旧していて、ベネッセはお詫びとしてコイン400枚を配布しました。6月25日と7月25日の配信日は落ち着いていましたが、8月25日の夜、9月号の配信日にシステム障害が再発しました。19時頃から翌26日2時頃まで〈進研ゼミ〉と関連サイトがつながりづらくなり、ベネッセは26日朝に「不具合解消のお知らせ」を掲載してお詫びしています。

ただし、配信を同じ時刻に集中させる設計も、オフラインで逃げる手段がないことも、変わっていません。次にベネッセがとるべきは、コインの追加配布ではなく、配信日を分散させることと、電話以外の問い合わせ手段を増やすことです。本文で挙げた「前日の夜に配っておく」「全員に同時配信しない」「順番待ちで子どもを弾かない」の3つは、いまも有効な処方箋として残っています。

次の配信日は9月25日です。配信日の前後でお子さんのタブレットが繋がらなくなったら、この記事を思い出して「今日は配信日だった」と気づける、そんな目印として残しておくつもりです。

更新履歴

  • 2026年8月27日:8月25日夜のシステム障害(19時頃〜翌26日2時頃。ベネッセが26日朝に解消を告知)を時系列と本文に反映。「混雑は朝がピーク」を前提にしていた対処の記述を、夜にも起きる前提に改めた。公式告知のキャプチャを追加し、次の配信日を9月25日に更新。
  • 2026年8月19日:症状から引ける早見表を冒頭に新設。「初期化する前に。リセットと初期化は別のものです」「画面が反応しない、ペンで書けない、充電できない」「『いつでもタッチ』はどこへ行ったのか」の3章を追加。オフライン学習「いつでもタッチ」が2026年3月24日に終了していたこと、6月17日付の公式のWi-Fi再接続手順、退会後の利用期限を追記。6月25日・7月25日の配信日に広い範囲の障害報告を確認できなかったことを時系列と結びに反映。図版を8点追加。
  • 2026年7月22日:「予期しないエラーが発生しました」表示の解説を追加。
  • 2026年3月25日:初回公開。

参照元

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