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【衝撃】SpaceX上場へ、時価総額1.75兆ドルで史上最大IPO

SpaceXが今週中にもS-1を提出し、6月に上場する見通し。xAI統合後の時価総額は1.75兆ドル、調達額$75Bで史上最大のIPOに。

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2026.03.277 min6 views

SpaceX(イーロン・マスクが2002年に設立した宇宙開発企業)が、早ければ今週中にも新規株式公開(IPO)に向けた目論見書(S-1)を米証券取引委員会(SEC)に提出する見通しです。上場時期は2026年6月を目指しており、想定される時価総額は1.5兆ドルから1.75兆ドル(約260兆円)。調達額は750億ドル(約11兆円)を超える見込みで、実現すれば史上最大のIPOとなります。

SpaceXが今週中にIPOの目論見書を提出する

2026年3月25日から26日にかけて、複数のメディアがSpaceXのIPO計画を一斉に報じました。Euronewsの報道によると、SpaceXは衛星インターネット事業「Starlink」の単独スピンオフではなく、マスクが設立したAI企業xAI(チャットボット「Grok」を開発)との統合後に「メガIPO」として統一上場する方針です。

xAI(マスクが2023年に設立した人工知能企業)との戦略的合併により、SpaceXの事業はロケット打ち上げ、Starlink衛星インターネット、人工知能の3本柱に拡大しました。BusinessTodayによると、この合併が評価額を1.75兆ドルまで押し上げた主要因です。

時価総額1.75兆ドルは何がすごいのか

調達額750億ドルという数字がどれほど異例かは、過去のIPOと比較すると分かります。

企業IPO年調達額時価総額
SpaceX2026(予定)$75B$1.75T
サウジアラムコ2019$29.4B$1.7T(当時)
アリババ2014$25B$231B(当時)

これまでの記録保持者はサウジアラムコ(サウジアラビアの国有石油会社)の294億ドルでした。SpaceXの調達額はその2.5倍以上にあたります。時価総額1.75兆ドルは、上場時点のサウジアラムコ(約1.7兆ドル)をも上回り、IPO時の企業価値としても史上最大です。

なぜ今、上場するのか

SpaceXが上場を急ぐ背景には、膨大な資金需要があります。TradingKeyの分析によると、SpaceXは火星植民計画のためのStarship(次世代大型ロケット)開発、月面基地「Moonbase Alpha」の建設、軌道上AIデータセンターの構築を進めています。とりわけxAIのAI運営コストが月10億ドル近くに達しており、非公開企業のまま賄い続けるのは困難になっていました。

加えて、xAIとの合併で事業規模が急拡大したことで、株式市場から大規模な資金を一度に調達する合理性が高まった、という事情もあります。

Starlink(衛星インターネット)が売上の8割を稼いでいる

SpaceXの収益構造は、すでにロケット打ち上げ企業の域を大きく超えています。ainvestの報道によると、Starlink(低軌道衛星を使った高速インターネットサービス)の2026年の売上見通しは187億ドルで、SpaceX全体の売上238億ドルの約79%を占めています。

加入者数の伸びも目を見張ります。2024年末時点で460万人だった加入者は、2026年2月には1,000万人を突破しました。年間成長率は約80%に達しています。都市部で高速回線を契約しにくい地域や、光ファイバーが届かない農村部、さらには航空機や船舶向けの通信需要を取り込んで急成長しています。

マスクは上場後も会社を支配できるのか

SpaceXはデュアルクラス株式構造を採用する予定です。これは議決権の異なる2種類の株式を発行する仕組みで、創業者が少ない持ち株比率でも過半数の議決権を確保できます。Meta(旧Facebook)やAlphabet(Googleの親会社)も同様の構造を採用しています。

BusinessTodayによると、この構造によりマスクは上場後もSpaceXの経営判断を単独で左右できる立場を維持します。火星移住という数十年単位の計画を進めるには、四半期ごとの業績に左右されない意思決定が必要だ、というのがマスク側の論理です。

投資家にとってのリスクは何か

1.75兆ドルの評価額には相応のリスクが織り込まれていません。まず、SpaceXの売上の相当部分がNASAや国防総省との政府契約に依存しています。政権交代や予算削減があれば、ロケット打ち上げ事業の収益は直撃を受けます。

次に、マスクが率いるDOGE(政府効率化省。米政府の支出削減を推進する組織)の政治的影響も見過ごせません。マスクが政府と対立すれば、SpaceXの政府契約にも飛び火する可能性があります。

そして、マスク自身の多忙さがあります。Tesla、X(旧Twitter)、xAI、SpaceX、DOGE、Neuralink(脳とコンピュータをつなぐ技術の開発企業)、The Boring Company(トンネル掘削企業)と、マスクが関与する事業は7つに及びます。一人の人間がこれだけの企業を同時に率いることの持続可能性には疑問が残ります。

さらに、AI分野ではOpenAIやAnthropicも2026年中のIPOを検討しており、投資家の資金が分散する可能性もあります。

750億ドルという調達額と1.75兆ドルの評価額は、Starlinkの急成長とxAI統合による事業拡大を考えれば根拠がないわけではありません。ただし、政府契約への依存、マスク個人への過度な集中、AI事業の巨額コストという3つのリスクがどう評価されるかで、上場後の株価は大きく揺れるはずです。6月の上場が予定通り進むかどうか、まずはS-1の中身に注目です。

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